ダカールィン洞窟寺から300mほど進んだところにまた洞窟があった。
洞窟寺院が多いな、この山。

上下に2つの穴があるように見えるが、中はひとつにつながっている。手前の岩壁が剥離して鍾乳洞が露頭したのではないかと思われる。

名前は「ဗုဒ္ဓကျားဂူ(ブッダチャーグゥ)」。「チャー」は虎だから、「トラの仏陀の洞窟」というような意味。
また釈迦の転生譚に関係した名前なのだろうか。

洞窟への登り口には、狛犬ならぬ狛虎。

う~ん、たぶん犬をモデルに造形したな・・・。
せめて猫をモデルにすればよかったのに。

一応、虎縞を描いてはみたものの、どうしてもトラには見えない。

洞口はレンガ積みの階段になっている。

洞内へ入る場所に天井のようなものが作られている。

階段を登り切ったところからみると、天井は床のようにも見える。

外からは2階部分に見えていたパゴダは、例の平面パゴダだった。

床のように見える部分は、構造的に人間の体重を支えられる強度はなく、幅30cm程度のハシゴの上だけが歩ける。

ここを歩けって?

パゴダの横には2人の聖人。


対面には白い人物。

この洞窟は珍しいことに、奥へ奥へと上っている。これまでパアン近郊で見てきた鍾乳洞の多くが、内部が平坦だった。
床部分には粘土が堆積しているので、吸い込み穴から落ち込んできた泥水が流れたのだろうか。洞窟の大きさに対して、二次生成物がほとんどないなど、ちょっと毛色の異なるな洞窟だ。

壁に顔が描いてある。ここに磨崖仏でも設置するつもりなのかな。

とにかく洞窟の奥へ行ってみよう。

洞窟の奥へは、頼りないような竹の階段が続いている。
ワクワク感が止まらないすばらしい洞窟寺院。

一番最後の階段は、踏桟が崩落していた。
それでもなんとかよじ登る。

その先は大して行かないうちに行き止まりになっていた。

う~ん、ビジュアル的に期待させる穴だったんだけどなぁ。

この洞窟は天井方向にいくつも支洞がある。
吸い込み穴へ続いている本命の主洞は矢印部分ではないかな。

洞内にはまだ仏像などが少ないが、個性的で面白い洞窟だった。
こんな洞窟寺院がパアン周辺ではまったく観光化されずに埋もれているのだ。カレン州の寺巡り、楽しすぎる。

洞窟の横には僧房が2棟あった。
(2019年11月10日訪問)