金刀比羅神社と旧坂出港事務所

港に突き出た波止場のような境内の神社。

(香川県坂出市築港町)

この投稿の親見出し『阿波國すきま漫遊記』は、徳島のタウン誌『あわわ』に連載していた記事が元になっている。連載の第1話のお題は「あやしい城」だった。であれば、ここでもあやしい城だけに絞って書いてもいいのだが、今回はもうすこし話を拡げたいと思っている。

以前に「滑り台」について集中的に書いたとき、その日に見た滑り台以外のものはいっさい触れずに、滑り台だけを紹介したため、濃縮されすぎて、旅行記として消化不良を起こしてしまった嫌いがあった。

そこで今回は「あやしい城を見た日の全体の行程」を書いていくことにしたのである。

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この日は、いままで一度も行ったことがない坂出市に出かけてきて、滑り台探索をしていた。

坂出港近辺で西大浜第1公園(地図)を見たあと、第5公園へ行ってみたがそこにはこれといった遊具がなかった。公園の廻りを車でひと回りしたところ、港沿いに神社が見えたのでお参りしていくことにした。

この神社は不思議な立地で、港の入口の突堤式埠頭に神社が建っているようなのだ。つまり境内だけが海の中に突き出ている。

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ここは古い時代に港だった場所で、現在はプレジャーボートを係留するマリーナになっているようだった。

神社がいつごろできたのかはちょっと想像しにくい。

このあたりは江戸時代には見渡す限りの塩田だったはずで、現在のような物流拠点ではなかったと思われる。だとすると、塩田がなくなってから出来た比較的新しい神社なのではないか。金比羅様は船乗りの神さまである。

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境内はきれいにしてあるが、特に珍しい要素もない。

鳥居をくぐって右側には水盤舎。

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左側には社務所があり、正面が拝殿。

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拝殿の背後には廊下のようなあり、少し高くなったところに本殿があった。

高潮があっても神様が濡れないようにという配慮だろうか。

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本殿の裏側はすぐ港になっている。

擁壁は階段状になっていて、海面まで下りられるようになっていた。市民がなにか採取していた。

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改段はかなり急で、人間が昇り降りすることは想定していないようだ。

さっきの人は何を採取していたのかな。

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神社の対面にも、対象の位置に突堤式埠頭があり、そこにドームのある古い建物が見えた。

地図によれば、旧坂出港事務所。昭和9年に建てられたもので、現在は廃虚になりつつある。窓ガラスが何枚か割れていた。

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様式的には緩い新古典様式かな。やっぱりドームがあるのが際立つ。

対岸まで行ってもう少し近くで見ればよかった・・・。

(2004年10月11日訪問)