小松島市で撮影予定だった映画館がなくなっていて、茫然自失して阿南市のほうまで漂ってきた・・・。
那賀川大橋を越えて、すぐに淡島海水浴場へ向かう県道23号線に入ってみる。この県道沿いの地域は三角州のような地割りになっていてかつては中洲か島だったこともあるのかもしれない。海岸砂丘のような、自然堤防のような、わずかに高い地形になっているので、かつて何度かこの地を襲った津波を乗り越えて集落が形成されていったのだろう。
その集落のはずれに八幡神社がある。県道からその参道へ入ってみよう。
この参道はおそらく、この黒津地町の砂丘の尾根部分を通る古道で、現在の県道は後付けなのだ。
境内には楠の巨木がうっそうと茂り、昼でも薄暗くなるくらいの森だ。参道はこの境内を通り抜けている。
境内の東側には公民館、神輿庫、ステージがある。
このステージは常設で、たぶん夏祭りのカラオケ大会とか、節分の豆まきなんかに使われるんじゃないだろうか。
神社は参道の西側にある。つまり社殿は東面。
八幡神社と小苗神社という2柱が合祀されているようだ。
社殿は5m程の土盛りの上に建っている。
津波の際に社殿に被害が出ないようにしてあるのだろう。
拝殿の前には水盤舎と末社×3。
水盤は小さな穴がたくさん彫られている。
もしかしたら
拝殿はガラス窓がはまった明るい造り。
背後には流造りの本殿がある。
一間社流造ではあるが、実質的に拝殿と一体化しているので八幡造り的な構造と言ってしまってもいいかもしれない。
境内の北の出口には地蔵堂がある。
この神社に関連して、気になる店がある。
参道にある激シブ理髪店だ。
木造のかなり年季の入った店で、理髪店の設備としてはかなり古典的な構成になっている。
一度ここで散髪をしてもらって、中の写真を撮らせてもらおうかなどと思っている。
参道の理髪店は2022年現在、すでに廃業してしまっているようだ。
(2004年11月13日訪問)