市場町
あえていえば、四国霊場の第10番切幡寺から、第11番藤井寺へ向かう遍路道が、村の中を通り抜けているので、お遍路をすれば通る場所、という感じの町だ。
ただし、「町」としてははっきりと認知できる連続した家並みがあるので、ここにも映画館のひとつくらいあったろうと訪ねてみた。
結論から言うと、この町には古くは定松座という芝居小屋があり、その後、
劇場の場所は推定になるが、次の地図のとおり。
定松座はかなり古い劇場だったようで、畑の中にあったという。こんな話を聞くことができた。
「
「え、囲い?もしかして屋根なかったの?」
「うん屋根やなかった。ほなけんど、役者がおるところは屋根があったよ? ここの家の向こうらてにな、長屋があったんじゃ。そこに髪結いさんしよった人のご兄弟がな、春子大夫じゃった。ご兄弟がな髪結いさんしよった。」
また春子大夫! ホントよく聞く名前だ。そして、屋根のない壁だけの施設だったという劇場、見てみたかったな。
町の西側には桝形のようなカーブがある。
たぶん旧八幡村の村役場などがこの一角にあったのだろう。
西向きに見ると、桝形の突き当りに時計台がある。
辻時計として収録するほどではないけれど、一応写真は撮っておこう。
消防団の事務所、倉庫と火の見櫓があった。
阿波市市場方面隊第1分団ということなので、八幡村が中心的な町だったということがわかる。
(2008年04月20日訪問)