国道197号線を西進し、佐田岬半島西端の港町、三崎へ来た。国道は山の尾根を通るので、途中、道の駅くらいしかなく、結局昼飯にはありつけなかった。
三崎から先はミカン農家の点在する山村と小さな漁村があるだけで、町といえるものはない。山の尾根にはすごい数の風力発電の風車が並んでいる。
ここ三崎港からは九州の大分県へ渡るフェリーが出ているので、実質的に四国の西の果てともいえる。フェリー乗り場周辺には観光客がいくらかいて、土産物屋もある。ここでなにか腹に入れられるものを探そう。
ついでにここらに映画館がなかったか聞き込みしよう。
すると、土産物屋の右側のスナックになっている場所がかつての映画館の跡だという話を聞くことができた。
もと芝居小屋で、旅役者などが来て芝居を上演していたそうだ。芝居小屋だったときの名前は「菊江座」。客席は平場で、おそらく土間だったと思われる。ムシロが敷いてあり、客は自分で座布団を持参して観劇した。内部に2階はなかったが、その後映画館になったときに、映写室として2階を作ったという。寄居座の2階部分のような感じだったのではないか。
聞いた中で、客席と舞台の間に役者の控室があったという話があった。ちょっと具体的なイメージがわかないが、花道が客席の後ろまで続いておらず、途中に花道控えという待機所があったのかもしれない。
話を総合するかぎり、芝居小屋としての起源は古く、戦前までは確実にさかのぼるだろう。
映画館になってからは名前を「
(2007年04月29日訪問)