名取の集落は海岸からほぼ45度に立ち上がった、崖のような斜面の途中にある。
地滑りでわずかに緩くなった斜面に身を寄せあうよう家々が集まっている。
その集落の中に泉があった。
この場所で人間が暮らしてゆけることを保証する、文字通り命の泉だ。
泉の名前は「岡の川」。珍しい名前だ。伏流水なのだろうか。
石垣の基礎のところに湧いている。
泉の直上にはコンクリートの屋根がかけられ、石垣側から流れ落ちる泥水が泉に流れ込まないようになっている。
泉の回りには石仏が並んでいる。新しい地蔵菩薩以外は墓石が多いように見える。
泉は路面からは75cmくらい下りるようになっているが、道路があとからかさ上げされたのだろう。
(2007年04月29日訪問)