朝、ホテルから東の山並みを見たとき大きなお寺が見えた。大法寺というらしい。重層の建物が気になる。
港町を散策するときに面倒なのが駐車場を探すことだ。港町は平地を最大限利用してしまっているので、駐車所が見つけにくいことが多い。きょうはチェックアウトしたあともホテルに車を置かせてもらって散策しているので、せっかくなのでこのお寺にも参詣していこう。
八幡浜は、断層が海に沈み込む場所で東西の谷にできた町だ。その地形は徳島県の
椿泊に比べたら八幡浜は大きな港町なのになぜか寺町のような場所がなく、山すそには神社が点々とあるだけ。寺らしい寺はこの大法寺だけのようなのだ。そのせいか寺の裏山は広大な墓地になっている。檀家が多いのだろう。
古い町並みの奥まった道を入っていくと、立派な石段と山門が見えた。
石段の下には地蔵堂。
石垣は外帯の変成岩の青石で積まれている。
石段を登り切ると、町の様子が見える。
でも八幡浜全体を見渡すには、裏山の墓地のほうまで上らないとダメっぽい。
山門は袖塀付きの薬医門。
山門の右側には単層鐘堂があるが、かなり変わった造りだ。まず、鐘堂にしてはやけに軒が深い。その大屋根を支えるために、3本の貫(頭貫、飛貫、腰貫)で柱を固めているのだが、腰貫の下に板壁があって、門扉まで付いているのだ。
こんな鐘堂は初めて見た。
板壁には波の模様が彫られていて、謎の海獣が描写されている。
これ、なんだろう。因幡の白兎か?
鳥のように見えるけれど、何をしている場面なのか。
山門の左側には小さなお堂がある。
看板があり、マリア像があるって書いてあるので、マリア観音でも祀られているのかな、と思ってあとで写真をよく見たら、マリア像は看板のすぐ下にある石だった。
首が落ちているのでわからなかったよ。
たしかに胸に十字が彫られている。
山門を入った正面は本堂。
本堂の右側には渡廊を経て庫裏。
本堂の左側には重層の建物がある。
鍵がかかっていて扁額もないので用途は不明だが、おそらく位牌堂だろうと思う。
2階の欄干はダミーっぽいから、たぶん2階はなく、内部は吹き抜けの空間なのではないかと推測する。
ほかに、境内の西の端に小さな地蔵堂があった。
(2008年09月14日訪問)