竹田は城下町だから当然、寺町がある。
寺町は盆地の西側の稜線と、岡城跡の北、稲葉川の北岸にあるのだが、きょうは時間が押しているので西側の寺町の一部だけを見ることにする。
街の西側、商家の並ぶ道から石畳の狭い路地へ入る。
この路地の奥に観音寺という寺がある。
寺が見えてきた。
岩山の上に石垣を築いて境内を造っている。そしてその一番目立つところに高灯籠がある。
灯籠は舟運に関係する灯台といった外観なのだが、ここは山の中でしかも街の中。灯台を設置する場所ではない。でも時として山の中の寺にこうした灯台状の建造物が造られる場合があるのだ。こうしたものを当サイトでは「高灯籠」と呼んでいる。
石垣のふもとにはポックリ地蔵というお堂がある。
内部には「ボケない地蔵」、「寝つかぬ地蔵」、「ポックリ地蔵」の3体の石地蔵が祀られている。
田島須磨子(91歳)という個人が寄進したという説明があった。看板は平成元年に立てられているので比較的新しい地蔵堂なのだが、場所的にいかにもありそうな場所なので違和感なく風景に収まっている。
そこから寺へは緩い石段が続いている。
すごく立派な石垣と石段だ。大分には凝灰岩が豊富に得られるので石の文化なのだよね。
石垣はベースとなる岩山の上に築かれているが、その岩のくぼみに石造の十六羅漢が並んでいる。
中々にすばらしいものなのだけど、背景のNTT大分の通信タワーがちょっと邪魔。
岩の斜面には立ち入れるようになっていて、近くから羅漢を眺めることができる。
羅漢の園のなかに埋め込み式のお堂があった。
中は地蔵菩薩が祀られていた、たぶん。ちょっと弘法大師と紛らわしかった。
緩い石垣は途中で右側に分岐して、お寺に続いている。
山門は薬医門。卍くずしの装飾がある。
薬医門をくぐって正面は客殿、左側は方丈。
庫裏は方丈の奥、つまり左奥側にあるようで玄関が別になっている。
客殿の右側に宝形造りの本堂、そして高灯籠がある。
寺号のとおり、本尊は観音菩薩だが、ほかに歓喜天、毘沙門天などが祀られているようだ。
リストには、辨財天王、愛染明王の名前もある。観音寺からさらに山を登ったところに、愛染堂、弁天堂があり、地図上は別の寺のようになっているけれど、実質的に無住なので観音寺の管理下にあるのだろう。
(2011年08月07日訪問)