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九州温泉紀行

温泉目当てで大分〜阿蘇地方を旅した3泊4日の内容。ただし温泉は写真が撮れないので、温泉そのものの記事はない。

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別府の旅から3年がたった夏休み。再び九州へと向かった。今回の目的は大分、熊本の観光地を巡りながら、温泉を堪能すること。3泊4日の旅で3泊とも旅館を予約済みという、私にとっては快挙ともいえる旅行なのだ。10年ぶりぐらいじゃないか? 全日程の宿が決まっているのって・・・。

1日目は徳島からの移動日で、別府に到着してそのまま宿泊。泊まったのは別府保養ランド。この宿には紺屋地獄と呼ばれる温泉の源泉が付属していて、そこから注がれる新鮮なお湯は泥沼の巨大な混浴露天風呂になっているのだ。日本最高の濁り湯で、私的には別府のマストといえる湯である。前回は日帰り入浴だったが、今回は宿泊。最高の源泉を持ちながら1泊が1万円以下(2022年現在6,500円)と、恐ろしいほどにリーズナブル。

ただ宿泊の施設は古く、値段相応。予約に際して電話口で「ウチは設備が古いですよ?」と念をおされたほど。でも前回のように別の宿に泊まって、結局泥湯に外湯で入りに来るのであれば、もう別府保養ランドに宿泊して、紺屋地獄の湯を堪能し尽くしたほうがいいだろう。お湯は、湯治宿ふうの(泥沼ではない)内湯のコロイド湯と、野外の露天風呂の泥湯。泥湯エリアは完全に混浴。脱衣場は別々でお湯は濁っているから、女性にとっては他の混浴露天風呂に比べれば敷居は低いが、はっきり言って泥沼みたいなところなので、ヌルヌルの泥の中に落ち葉などが沈んでいたりして潔癖症の人には厳しいかもしれない。

2泊目は黒川温泉へ。黒川は全国の温泉人気番付の常連。泉質がよく、浴場もよく、温泉街もよいという三拍子そろった、客が温泉に求めるものがすべてある温泉地。一度は行っておきたいと思っていた。各旅館が露天風呂に力を入れていて、温泉手形で湯巡りができるのが特徴。黒川で見られる露天風呂の丁寧な演出を「黒川メソッド」と私は呼んでいる。他県にも黒川メソッドの露天風呂はあるけれど泉質が伴っていなかったり、泉質はいいのに演出がおざなりな温泉も多い。また、温泉街全体で汚いものを見えないようにしたり変な呼び込みをしないといった雰囲気作りも重要な要素。黒川の素晴しさは自然に発生したのではなく、温泉街が一丸となって作り上げた努力の結晶といってもいいものだ。こうすればいいとわかっていても、他の温泉地では簡単にマネできないのが黒川温泉なのだ。宿泊したのは温泉街から少し谷を入った一軒宿、旅館壱の井。当日は、温泉手形で2軒を外湯、翌日午前中は宿の温泉に入ってから車で少し離れた宿を外湯で利用した。外湯で入れるお風呂は素晴しいところが多く、泉質も何種類かあるため1泊では堪能し尽くせない。リピートしたい温泉地だ。

3泊目は阿蘇山西麓の地獄温泉青風荘。足下から硫黄系の濁り湯が湧く「すずめの湯」は、熊本県の観光ポスターのキービジュアルに使われることもある風情ある温泉だ。風呂が芝居小屋の升席みたいに木で区切られている奇妙な造り。一度は入っておきたいお湯だ。ただ旅館の規模がやや大きく、団体客の大学サークルの男女が騒々しかったのが残念。本質は湯治宿で、敷地内には一般の観光客が寄りつかない薄暗い自炊部とか、自炊部専用の浴場などがあり、それらの建物を探検するのも得難い体験だった。(2016年の熊本地震により大きな被害を受けたので、その後どうなっているかは不明。)