朝地町の普光寺という寺がある集落のどこかに石風呂があると聞いて来てみたが、見つかりそうにない。
せっかく来たのだから、磨崖仏があるという寺に参拝していくことにした。
寺は里山にある。20~30台は駐車できそうな大きな駐車場が山の尾根にあり、寺はその駐車場から谷に降りていく伽藍配置になっている。
参道で見かけた石仏。
左から、馬頭観音、十一面観音(?)、稲荷社。
山門は一間一戸楼門。
門の向きからみても、この寺へのアプローチは古来より尾根から谷に下りてくるようになっていたのだろう。
山門の腰壁には住職からの熱いメッセージが書かれていた。
本堂は宝形造りでわりと質素。
内部は客殿形式。
屋根は宝形だが、右側のほうに下屋が延長されていて長方形の広い空間になっている。
ピアノのリサイタルなどを開催しているようだ。
本堂の右側は庫裏。
本堂の左側は崖になっていて、磨崖仏方面が一望できる。
この光景を見たとき、思わず「ええっ!?」と声が出てしまった。あまり下調べしていなかったからこんな巨大な磨崖仏があるとは思っていなかったのだ。
光背部分も含めたら30mくらいありそう。そして同じ崖には洞窟があり投げ入れ形式の堂まである!
磨崖仏というより岩窟寺院の一種だと思う。千葉の鋸山に近い迫力がある。
磨崖仏もどちらかというと「大仏」というのがふさわしい。まぁ、不動明王なので大仏ではなく「大明王」というべきなのかも知れないが。
近くに行ってみよう。
不動明王と、脇侍の
柵などはないので、不動明王の足下のすぐ近くから見ることができる。
伝承では平安時代に作られたものだという。
崖の地質はたぶん溶結凝灰岩。
不動明王の造形はあまり厚みがなく、鼻の高さとほっぺたの高さが同じといった感じの造形。
群馬県の長巌寺の磨崖仏を思い起こさせる。
磨崖仏右側の洞窟。
内部には懸崖造りの舞台が作られていて、磨崖仏よりもこちらの風景のほうがすごいかもしれない。
川の浸食でできた洞窟を人が手を加えて造られたのだろうか。
洞窟の壁と一体になった石段。
これはたまらない。
洞窟へ登るルートは2つあって、ひとつは舞台の中を通り抜ける割拝殿状になっている。
洞窟の最も奥には壁面に扉がある。
たぶんこの扉の中は掘り込んであって、磨崖仏があると思われる。
登れないので確認はできないが。
なんだかあの扉を開けたら異世界かダンジョンにつながってそう・・・。
その先の洞窟には護摩堂が埋め込まれている。
残念ながら立入禁止でお堂のほうには近寄れない。
本堂方面から遠望した護摩堂の全景。
磨崖仏から本堂をのぞむ。
駐車場はさらに山の上にあるのでずいぶん降りてきたことがわかる。
この磨崖仏は普通の観光でも十分に満足できるので、豊後大野市の観光では外せないスポットだと思う。
(2012年03月25日訪問)