長巌寺。
セルフビルドの大型磨崖仏がある寺。磨崖仏が作られたのは私が高校生のころで、学校帰りに友人と自転車を遠乗りして見にきたことがある。この寺を訪れるのもそのとき以来だ。
山門は薬医門で、山門付近は木立に囲まれているので雰囲気がいい。
山門には木魚が吊り下げられていた。
本堂は銅板葺き入母屋で、向拝も入母屋向拝。
先ほど訪れた福厳寺の本堂と酷似した印象。同じ宮大工が建てたものかもしれない。
本堂の左側には庫裏。
庫裏の裏手には、ミャンマーのゴールデンロックを思わせる奇岩「天狗岩」がある。
この岩にからめて堂を建てたらかなりインパクトがある寺になれると思うのに、少し惜しい気がする。
本堂と庫裏の間には、方丈か書院のような建物があり、さらに裏山に堂が見える。
本堂の右側には薬師堂。
さらに進むと、毘沙門堂がある。
これは小幡七福神のチェックポイントのひとつ。
さらに進むと、本堂の裏側の観音堂に至る。
この観音堂、正面が崖なので、横からしか写真を撮ることができない。
裏山に登ると磨崖仏がある。看板などもなく、知らないとたどり着けないかもしれない。磨崖仏といっても顔だけだ。大きさは5mくらいある。
高校時代に見たときにはまだ出来立てだった。大仏ができたと過大な期待をして見にきたこともあって、「顔だけ? これならオレらでもできるんじゃねーの?」などと思ったものだ。それからン十年かたって、苔むして少し雰囲気は良くなったと思う。
ただし、やはり造形的にはもう少しなんとかならなかったのかと思うところもある。鼻がめり込んだような造形になっているために、平面的に感じてしまうのだ。
鏑川の南岸の甘楽町や吉井町は、群馬県の中では磨崖仏が多いエリアだ。地質が磨崖仏に適しているのか。
(2008年07月12日訪問)