先ほどの川島潜水橋は中洲の善入寺島から南岸へ渡る橋だった。ということは中洲から北岸へ渡るための橋も当然あり、それが大野島橋である。
歩き遍路の人からすれば、まず大野島橋を渡ることになるので、人生で初めて歩く沈下橋という人も多いだろう。第1番札所からここまで、農道を歩くことはあっても見渡せばそこここに人家がある風景が続いてきたが、ここに来て、初めて見渡す限り人煙のない茫漠とした風景を目の当たりにして心細くなる遍路もいるだろうと思う。
大野島橋は幅員3m、橋長約230mの沈下橋だ。
橋が完成したのは昭和27年。それまではここには渡船があった。
川島潜水橋が竣工するのは10年後の昭和38年。大野島橋は善入寺島に架けられた最初の橋なのだ。善入寺島は北岸の市場町と結びつきが強かったのだろう。
橋の南詰め、つまり中洲側は竹林のバリアになっているのは川島潜水橋と同じ。
橋の途中には四輪車用の待避所、所々に歩行者用の待機所があるのも川島潜水橋と同じ構造だ。
大野島橋北詰めの堤防道路。火の見櫓のようなものは、おそらく吉野川の増水時に堤防を監視する「水見櫓」だろう。同様のものは第十堰付近でも紹介している。
反対方向から見た水見櫓。
なんだか情報量の多い景色になっているな。
遠くには阿讃山脈の霊山「大山」、吉野川の土手には1月1日からしゃがみ込むギャル、土手の外側にはベーハ小屋の屋根が見えている。
土手から北側の遍路道を見たところ。
この先には
(2007年01月01日訪問)