津峯神社から駐車場に戻ってきたところで、「岩窟への案内」なる見逃せない看板があった。
洞窟は5ヶ所あり、海食洞だというのだ。海岸線で波浪によって侵食されたてできる洞窟だ。最近の投稿では外牟井ノ浜の海食洞を紹介している。海岸にあるものだが、それが隆起して標高180mの場所にあるというのが不思議だ。なお地質はチャート。
深さは10m前後で、山仕事をする人が住んだり、津峯神社の断食行をする場所だったともいう。
さっそく行ってみよう。
洞窟巡りは遊歩道が整備されていて特に危険な要素はない。
駐車場から100mくらい歩いたところに最初の洞窟、神明の窟がある。
ここには祠が祀られている。
斜面にそって複雑に開口している穴だ。中々に見ごたえのある海食洞だ。
まぁ、好きな人は各穴に這いつくばって入るのかもしれないが、奥行き10mということなので外から見るだけにした。
周囲はウバメガシの林で、林床にはヒトツバが密生している。
次の洞窟に向かう遊歩道もウバメガシの森の中に続いていて気持ちがいい。
途中、ゆるぎ岩という案内があった。
どうやら層理面で浮いた岩が押すと揺れるというものらしい。ゴールデンロック的な?
押してみたけれどよくわからなかった・・・。
この場所からは長生町方面の山並みが展望できる。春の芽吹きと花で山の斜面が複雑な色で彩られている。常緑樹のウバメガシや落葉広葉樹のコナラなどの混淆林だ。
おそらく阿南市の人口と産業を支えた薪炭林としての役割を終えて、本来の植生に戻りつつある二次林だと思われる。
良いときに来たな。
続いて2つ目の洞窟、巾着の窟。
あとで案内板の説明を読み直してみたら、この洞窟が奥行き18mあり一番深く、しかも「抜穴」と書いてあった。貫通しているのか? そんなふうには見えなかったが。
次の洞窟へ。
斜面を30mほど降りる。
家具の窟に到着。
家具の窟は内部が平坦で立ち入ることができる。
形状的に海食洞によくある、奥が狭くなっていく洞窟だ。
コウモリが寝ていた。
内部から入口方面を見たところ。
次の洞窟は結びの窟。
ちょっと入れないかな・・・。
海食洞といえば海食洞っぽいロケーション。
最後の鏡の窟。
奥行きは14mあるということだが埋もれていてよくわからない。
ここも複数の支洞からなる複雑な洞窟だった。
津乃峰山から連なる山脈には、ほかにも明谷寺奥の院の洞窟や氷柱観音の鍾乳洞があり、洞窟山脈の様相を呈している。特に明谷寺奥の院の洞窟とここはよく似た雰囲気なので記憶が混じりそう・・・。
(2007年04月08日訪問)