華厳寺

西国三十三番結願所。本堂の戒壇巡りは逸品。

(岐阜県揖斐川町谷汲徳積)

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華厳寺(けごんじ)は西国観音霊場の33番、つまり結願の寺である。

ところで西国霊場の寺々はどういうわけか駐車料金が高いところが多くていい印象がない。四国、坂東、秩父では無料の所がほとんどなのに、西国霊場はのきなみ500円くらいとられる。私はお寺参りが好きなので基本的にお寺のことを悪く書きたくはないのだが西国霊場の駐車料金はどうも納得できない。

華厳寺の駐車場は公営なのに有料で、しかも寺から離れている。

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参道の土産物屋は地場の山菜や農産物などが中心だが、途中には仏像を売っている真っ赤な店もあった。

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やっと山門にたどり着く。

山門は三間一戸の二重門だ。屋根は銅版葺き。なんだかこういう山門っていかにも江戸時代に栄えた観光名所っていう感じがする。

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伽藍配置図。凄まじい数の堂が描かれている。おおむね全ての堂が実在しているようだ(未確認)。

でもスケール感がむちゃくちゃ。あんまりむちゃくちゃなので真面目に案内図を見なかったのだが、帰ってきてから本堂の裏の方に笈摺堂(おいずるどう)という見ものがあったことを知った。

だいたい私は寺の伽藍はすみずみまで見て回るほうなのだが、何となく探検していると怒られそうなオーラを感じたので、ざっくりとした参詣になってしまった・・・。

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さて、いよいよ本堂が見えてきた。

石段を参拝者が引きも切らず上り下りしている。

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本堂には戒壇巡りがある。拝観料は100円。

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内部はそれほど長くはないが通路は曲線だけで構成されていて、完全に方向感覚がなくなって出口に戻ってくる。

やはり戒壇巡りは通路が曲線のものが極上といえよう。しかもここでは床面も30cmくらいの無意味な上下があって感覚をまひさせるのを手伝っている。確信犯的な設計だ。

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本堂の右側にあった鐘楼。

出入口に唐破風が付いているという豪華な鐘楼。こういうのは初めて見た。

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本堂の前には輪蔵(りんぞう)がある。

この旅行記では初めて紹介する堂なので、簡単に説明しておく。

輪蔵とは教典を納めた書庫の一種だ。内部の書架が人力で回転するところが珍しい。回転させることにより、教典がとりだしやすくなるとか、回転させることにより通気をよくするというような説もあるが、原形はおそらくチベット仏教に見られるマニ車であり、教典を回転させることにより功徳を得るというのが根源にあるのではなかろうか。

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これが経蔵の内部の様子。六角形の書架に教典が納められている様子がよくわかる。

これを時計回りに3回まわすと御利益があるといって、参拝客が喜んで回すところもある。ここでは戸も開いていて、回せそうだったがなぜか私は回さなかった。う~ん、我ながらどうしたことだろう・・・。

(2000年03月20日訪問)