昼食を食べると眠くなる、これは自然の摂理だ。国分寺を出て次の寺千光寺へ着いたときには、午後の睡魔に襲われて駐車場で少し仮眠をとった。

その駐車場に千光寺境内の案内図があった。おっ、境内にミニ霊場があるではないか。
駐車場の近くにある「五本杉」がスタート地点になっている。しかし、よく見ると1~4番札所のあたりには「この付近危険」と書かれている。

どんなふうに危険なのか行ってみた。
写真の中央は1番、2番札所。そして中央やや左上の崖の途中に3番札所が見える。道は、あるようなないような・・・。
4番札所は見えなかった。全行程は4キロ。これって5分、10分で回れるような霊場じゃない。
もちろん、引き返した。

こちらが五本杉。

仮眠した駐車場の案内図ではまだ先に駐車場があるようなので、そこまで車で移動。
寺の裏門に着いた。
裏門は棟門。

駐車場から境内に入ると裏口から入るようになるので、あらためて山門のほうへ戻る。
山門は八脚門の仁王門。
かつては大寺だったというが仁王門はか八脚門としてはかなり質素だ。

仁王門の前には十王堂がある。
内部には地獄極楽絵図があった。

内部の絵図。
閻魔大王が裁定を下しているところ。大王の左右には人頭杖という首の乗った杖が描かれている。被告人がウソを言うと口から炎を吐いて知らせるという装置。
左端に描かれている丸いももは浄玻璃の鏡といい、被告人の過去を映し出すモニタ装置。とにかく閻魔庁ではごまかしが効かないということを表現している。

その横では罪人たちがむごたらしく痛めつけられている。
こうした絵は本来、説法で内容を説明されながら見るものだ。

さて、千光寺は円空仏で有名だ。五十体の円空仏があり博物館に展示されている。
境内にも作風を模した仏が散見される。私は個人的には円空仏ってあまり思い入れはない。作りが雑だとか、そういうのではなく、作風を真似した仏や民芸品が安易に乱造されているところに冷めてしまうのだ。

庫裏は「いかにも山寺の庫裏!」という感じの造りだ。まとまった数の信徒を宿泊させる衆寮(しゅうりょう)の機能も持っていそうである。
パンフを見ると、「人間性回復セミナー」とか、五本杉から生命エネルギーをいただく「森林プログラム」などの研修をやっているそうである。ちょっと意識高い系。

本堂。
その左側には宿儺堂。本堂の右側は庫裏まで渡り廊下で庫裏までつながっている。

本堂の左手には鐘堂。

境内の奥にはラマ塔というものがあった。

薬師弘法堂(遍路堂)。
薬師弘法堂の内部は四国八十八ヶ所の写真が展示されている。内部は「E」の字を時計回りに90°転倒させたような通路になっていて、他では見たことのない構造だ。

薬師弘法堂の内部の中央通路部分。
完全に巡拝路として仕切られていないのが残念だが、本サイトのメインテーマ「巡礼空間」の一種として押さえておきたい堂だ。

境内には他に弁天堂(写真)、博物館、土産物販売所など。
(2000年05月02日訪問)