青森県新郷村、ここはキリストの墓とピラミッドをウリにしている村だ。と言っても、村を挙げてオカルトを正当化しているというのでもなく、かといってオカルトに迷惑しているという態度でもない。村としては唯一の観光資源でもあるし、なんとも言えない微妙な態度をとっている。
写真はキリストの墓の付近だ。思ったより山深い感じではなく、低い丘陵が続いている。
キリストの墓の付近で見かけた道路標識。
思わず絶句‥‥。
なお、ピラミッドについては、次ページで訪問する。
キリストの墓。
国道の駐車場から5分くらい歩いた山の中にある。
ここは村の旧家坂口家の墓所であり、もとからキリストの伝説があったわけではない。竹内巨麿という人が「竹内文書」という古文書を元にキリストの墓を探索した結果、昭和10年にこの土饅頭を発見し、これをキリストの墓であると言い出したのが始まりだとされている。わりと新しい伝説なのである。
イスキリの墓。
「竹内文書」によれば、十字架に磔になったのはキリストの弟「イスキリ」で、キリスト本人は日本に逃れて、ここで天寿をまっとうしたのだという。
「竹内文書」の真偽についてのコメントは避けておくが、この地がキリストゆかりの地であるという根拠は他にもあるのだという。その根拠とは、
- この地域の字「
戸来 」という地名は「ヘブライ」が転訛したもの。 - 旧家坂口家の家紋はユダヤの紋章と同じ。(坂口家の家紋は桔梗で五芒星に見える。)
- 子供が生まれて初めて戸外に出すときに、額に十字を墨書する。
- 足にしびれが切れたとき、人差し指につばを付けて額に十字を3回えがく。
- 父親を「アヤ」、母親を「アパ」と呼ぶのは、「アダム」「イブ」の転訛したもの。
- 盆踊りの謎の文句「ナキャドヤラー、ナニャドナサレノ、ナニャドヤラー」は古代ヘブライ語で「お前の聖名をほめ讚えん、お前に毛人を掃蕩して、お前の聖名をほめ讚えん」と訳せるのだという。
まあ‥‥どうなんだろうか‥‥。キリシタンが隠れ住んだというくらいはあったのか、と思わせるロマンあふれる土地ではあった。
(2000年10月04日訪問)