養雲寺。登米町の市街地の南のはずれにあった寺。だいぶ時間が押してきたので、あまり寄り道は出来ないのだけど、門前を通りかかったので立ち寄ることにした。一期一会を大切にしなければ。
山門は、なんと形容しようか迷うのだが‥‥、二階建の薬医門?
正面から見ると薬医門に見えるが、後ろから見るとこのようになっている。正面からは見えない隠し二階があるのだ。
通常「楼門」と呼ばれる門は、構造的に言えば八脚門が二階建てになった「三間一戸楼門」、もしくは、四脚門が二階建てになった「一間一戸楼門」が多いのだが、まさか薬医門が二階建てになったのがあるとは思いも寄らなかった。
意匠など全般的に仏教建築的な要素が見られないので、もともとは武家屋敷などから移築したものかもしれない。
楼門を過ぎると四脚門がある。
こちらはちゃんとしている。
四脚門の左側には十王堂。
内部には十王が鎮座しているが、浄玻璃の鏡や業の秤といった“地獄行き判定装置"は見られない。
3日目に見た宝鏡寺の十王堂にも判定装置は置かれていなかったが、三陸方面では判定装置は設置しないのだろうか。
四脚門を過ぎて境内に入ると、左側には三光堂という堂があった。
あまり聞きなれない名前の堂だ。
辞書によれば、「三光」とは、日天子、月天子、明星天子の三天を意味するという。
本堂。
その前には消え入りそうな細いまわり場。
上を歩くことは出来ず、廻るときの目安になる線でしかない。
庫裏。
庫裏の横には中門があり、庫裏の庭は塀で囲まれていて入れない。
その中に鐘堂があった。
(2001年08月14日訪問)