2002年の2月上旬、代休を組み合わせて三連休を取り、三たび、三河地方へ足を運んだ。代休も有給休暇も腐るほどあったし、関わっていたプロジェクトもなんとか峠を越えて、着地点も見えてきたところだった。1日くらい代休をとってもバチはあたるまい。とは言え、この連休のための仕事を片づけて家路についたのは、深夜というよりも早朝に近い時間だった。
そんな調子だから当然、どこに行くか下調べもできていない。行き先を決めようと地図を眺めても地形が頭に入ってこない。いつの間にか睡魔に襲われて目が覚めたときには土曜日の昼に近かった。それからグズグズと旅支度をして、結局、下調べはなにもできないまま、とにかく半田市で泊まろうとだけ決めて家を出ることにした。
ところで、このころ私は勤めていた会社をやめることを考えていて、ずっと重い気持ちを自分の中に抱え込んでいた。
そんなこともあったからだろうか、今回の旅のコンセプトはあいまいで、タイトルをつけるのがむずかしい旅となった。ひとことで言えば「迷走」と言うのがふさわしいだろう。