字輪寺。柏木宿の中ほどにあった寺。
街道の写真を撮るために車から下りたので、せっかくだから参詣することにした。
街道に面して寺の入口がある。山門は薬医門だが、柱が細くて少しアンバランスな感じの門だ。
山門の右側には、庚申塔のミニ霊場。全部で40基くらいが確認できた。これがもともとここに集中して作られたのか、あるいは、ほうぼうから集めてきて並べたのかはわからない。集めてきたにしても無縁仏のように山積みにするのではなく、順路に沿って整然と配置されている。坂東霊場や四国霊場の写し霊場では、巡礼形式を取ることはわかるのだが、群馬では庚申塔も巡礼形式で配置されることがある。庚申信仰の実践時には巡拝はしないと思うのだがなぜなのだろうか。
参道は途中でL字型に折れ曲がって本堂となる。
本堂は桟瓦葺きの入母屋屋根。素朴な建築だ。本堂の前には対の石灯籠が立っている。
本堂の左側にはかつて庫裏があったのではなかという空き地がある。現在は無住。本堂の背後の杉林はちょっと荒れた印象だが、それ以外は境内はよく除草されている。
山門から入って突き当たりにあった経蔵。規模は小さいが、輪蔵かもしれない。
このあと、18区、19区、上野、桃泉の飼育所が見つからず、これできょう予定していた地域の探索は終わった。比較的朝早くから活動したことと、なくなっていた飼育所が多かったこともあって、予定より時間が早い。
そこで、榛名山の北麓方面の東村・吾妻町方面へ移動することにした。
本来なら、榛東村と東村のあいだにある渋川市を巡るのがいいのだが、事前の調査で渋川の住宅地図の情報が足らず、飼育所の位置がプロットできていないのである。古い住宅地図は、年代や地域によって情報の密度が違っている。すごく細かく書かれている地域だと、建物一つ一つに「納屋」「倉庫」「蚕室」などと文字が書いてあるのだが、おおざっぱな地域だと建物の輪郭しか書いてなかったりするのだ。担当者の性格が出るのだろうか。
とにかく渋川市西部はごっそりと飛ばすことにして、東村方面に向かうことにした。榛東からは、伊香保温泉を経由して榛名山の中腹を巻くように移動すれば、吾妻方面は遠くはない。
(2008年05月01日訪問)