富岡市街地は細長いテーブル型台地の上にある。その台地の東のはずれにあるのが曽木神社だ。
友人とこのあたりに出かけて、少しだけ時間があったので1箇所だけどこかを見ようということになり訪れたのがこの神社である。
お目当てはこの神社の境内にある湧水池。
参道の入口には社務所。
水盤舎はシンプルな造り。
このように給水や排水の設備がなく、一度も水が溜まったことはないのではないかという水盤をたまに見る。それもここでは丁寧に屋根までかけてある。
これはどういうふうに使うのだろう。桶などで水を汲み入れるのだろうか。
拝殿と本殿。
後ろに向かって屋根が高くなっていくが、これは本殿が二階建てというようなものではなく、本殿の覆屋の屋根が高いからである。
横から見るとまるで二階建てのように見える。
覆屋の内部。覆屋の中は単純な空洞だ。
本殿は千鳥破風付きの一間社流造で、華美な装飾に覆われている。江戸末期くらいのものだろう。
本殿の三面に透かし彫りがある。
境内にあった庚申塔。
これは名前はないけれど、たぶん女陰石。
湧水池は境内の崖下にある。
崖の真下からかなりの勢いで湧出している。
写真で白っぽく見えるのは、吹き上がっている砂だ。
池の中には二見浦の夫婦岩みたいなものがある。
湧水というと、背後に山があるとか、河岸段丘の崖下とか、水を涵養する広い土地が必要なイメージだ。だがここは、幅が数百mしかない細いテーブル型台地の端点の岬のようなところなのだ。ここから湧き出す水はどこから来るのか不思議だ。
池には鯉が飼われていて、近所の人が餌をあげていた。
池からあふれ出た水は、隣の水田の横にある洗い場のような場所へ流れ込む。
踏み石があるので、昔はここで野菜や農具を洗ったり洗濯をしたのではないかと思われる。
この水はここから用水になって、300mほど下流で鏑川へ流れ込んでいる。その場所がおのれの滝なのだ。
(2014年05月24日訪問)