菅原神社

巨大な向拝をもつ重厚すぎる拝殿。

(群馬県前橋市日輪寺町)

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日輪寺の境内の一角は神社になっている。

菅原神社である。

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重厚な向拝を持つ入母屋造の拝殿。

群馬でも北部や信越方面の積雪地帯にありそうな雰囲気の堂だ。

なんだか、ガンダムに出てくるモビルアーマーを連想させる。

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向拝には透かし彫りがある。

水の入った高価な瓶の周りで遊んでいた友だちが、まちがって瓶の中に落ちてしまったとき、ある子供は迷わずに瓶を割って友だちを助けた。その子が後に、司馬光という有名な儒学者になったという伝説を描いたものである。

向拝の虹梁の上には大瓶束(たいへいづか)という瓶の形をした飾りが付けられることがある。この透かし彫りは物語の中の瓶が、意匠としての大瓶束を兼ねたような造りになっているのがおもしろい。

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本殿は一間社流造り。

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境内には、芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」の句碑があり、その前にはタイムカプセルを埋めたと思われる小さな石碑があった。

生糸の街の面影を尋ねながら、前橋をひと回りした。紹介した場所のいくつかは、機会があればきちんと訪問したいところもある。だが今回はあえてそれを待たずに、鮮度を重視して外観だけを紹介した。まだ重要な物件が漏れている可能性もあるが、それは見つけ次第補遺してゆこうと思う。

かつて製糸の街と言われた他府県の都市もいくつか訪れてみたが、2010年を過ぎてからその面影を探すのはどこでもちょっとした根気が必要だ。だがその難しさが逆に路上観察としてはおもしろくもあり、前橋は途中寄り道しながらも100 箇所以上を紹介することになってしまった。

(2014年05月18日訪問)

古建築の細部意匠

単行本 – 1972/6/10
近藤 豊 (著)

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