タマウィハラトーヤ僧院

サルウィン・パアン橋東詰めにある僧院。

(ミャンマーカレン州パアン)

パアンのサルウィン・パアン橋の橋上から上流方向を眺めると、両側に山が迫り川幅が狭くなっているところがある。その右岸、左岸、中洲にパゴダがあることは、この橋を何度も通っていて気付いていたのだが、これまで行く機会がなかった。

ここはパアン市内からはそれほど遠くないので、いつでも来れると思ってしまうと、逆に足が向かないのだ。きょうは午前中にチョントゥ滝へ遠征して、午後の中途半端な時間から寺参りに出かけたので、最後にこのサルウィン川の両岸のお寺に行ってみることにした。

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まず向かったのは、左岸(写真右側)の寺だ。

写真は橋の上から撮っているが、実際には橋は高架なのでかなり手前で側道に入らないとこの寺へは行けない。

ちなみに、ミャンマーでは橋は軍事施設扱いなのか撮影禁止で、この橋の場合両岸のゲートだけでなく橋の上や橋の下にも監視小屋みたいなのがある。そんなわけで橋の上でオートバイを停めて写真を撮るのは、あまりいい感じの行為ではないので、さっと済ませたい。

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サルウィン・パアン橋の東詰めで、検問所より手前で側道に入り、未舗装の道を進んでいく。

寺の入口には山門はなかったが、仏旗が上がっていたので道は合っているようだ。

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寺は地味な感じの僧院だった。

参道の突き当りには講堂がある。

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講堂の内部の様子。

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気になるのは仏像の左にある、星座早見盤みたいなもの。これは十二縁起という仏教理論を表すチャートだ。時計回りに ၁, ၂, ၃, ၄, (=1, 2, 3, 4のミャンマー数字)のように見ていく。1時、2時方向でオレンジ枠で囲まれている単語は「無知、間違った行い」で、これが人間の苦の始まりにある原因。その後、さまざまな成長の段階で7時、8時のオレンジ枠の単語「愛、執着」を生み出し、それにより来世の生まれ変わりが決定されるという。そして、11時、12時あたりにある誰もが逃れられない「老い、死」を経て生まれ変わり、「無知」に戻るという理論だ。

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講堂の入口にいた謎のおばあさん。

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講堂の横にあった大きめの建物。

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中は食堂(じきどう)。つまり修行僧たちが食事をする場所。

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川岸のほうへ行ってみる。

僧房っぽいものがあった。

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この建物の周囲にある造は、衣服にモザイクミラーの模様が着いているという珍しいもの。

しかもこれ、仏とか神様じゃないよね。何なのだろう。

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川岸に山が突き出たようになっていて、小さなパゴダや僧房があるが、山に登れるような登山路もないし、山の上にも何もなさそうだった。

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山の中腹にあった仏像とパゴダ。

仏像は直立不動の姿勢で、印相としてはかなり珍しいのではないか。

単に造りが稚拙なだけかもしれないが。

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仏塔も稚拙な造りだった。

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この稚拙な仏塔があるところまで登ると、サルウィン・パアン橋がよく見える。

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寺の境内は川岸に沿って思ったよりも長く続いている。

しばらく境内の林の中を歩いていく。

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すると境内のどん詰まりのところにお堂があった。

偉いお坊さんの住居か、あるいは、得度堂ではないかと思う。

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お堂の周りには例の結界石。

これについては何なのか調べないといけない。

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通常こうしたお堂は扉が閉まっていて中は見えないのだが、このお堂は窓が開いていて中を覗くことができた。

真っ暗で1階には生活感がなかった。

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この僧院の敷地は、小さな山脈と川に挟まれた細長く狭い土地だ。

この小さな山脈の裏側にはタウィグダ洞窟寺がある。したがってこの斜面にもよく探せば洞窟の一つや二つはあるだろう。いつかこの寺がもっと繁栄するようなことがあれば、山頂にパゴダを建てたり、瞑想用の洞窟を持つかもしれない。

(2015年05月01日訪問)