岡山市の南西部は、県道152号線に沿って古い町並みが続き、その南側は広大な水田地帯が広がる。水田地帯は元は児島湾だった水面を埋め立てた土地で、県道152号線が海岸線だったのではないかと思われる。
呑海寺はかつての海岸線に沿って続く丘陵の中腹にある寺である。
参道はゆるいスロープで、きれいに積まれた石垣がこの寺の景観を特徴づけている。
この寺が、倉敷・岡山間にある重要な観光ポイントかというと、たぶん違うのだろう。
今回の旅の行程を組み立てるとき、倉敷・岡山間に流行り神っぽい寺があるという情報をもとに、いくつかピックアップした寺のひとつなのである。もちろん、いま思えばその流行り神っぽい寺とは不浄観音寺で決まりなのだが、この時点ではまだ確定したわけではなかったので立ち寄ることにしたのである。
山門の薬医門をくぐると、正面は庫裏の玄関になっている。
一般的に、寺の「玄関」とは住宅の玄関の意味とは異なり、本堂と庫裏のあいだにある独立した建築物を指す場合が多い。だがこの寺の玄関は、庫裏に付属した庇のような部分であり、くつ脱ぎ石が置かれているという平面的なものだった。こういう玄関を「
庫裏の左側には本堂。
庫裏の前には鐘楼。
本堂の左側には3つの堂がある。
左から、番神堂、七面堂、開山堂である。
つまりここは日蓮宗のお寺なのだ。
境内からは、児島湾方面が見渡せる。
かつて海岸線はすぐ近くにあったのだろう。
(2003年04月27日訪問)