GW明けの最初の日曜日、小雨の降り続ける天気で遠出することもできず、小松島市内の寺巡りに出かけてみた。
最初に訪れたのは国道55号線から見える鎮守の森、坂野八幡神社だ。この神社には神宮寺が付属している。明治以前、神社と寺院は同じ神を神道的な祭祀と仏教的な祭祀の両面から信仰していた。その時代に神社に付属していた寺院が「神宮寺」である。
明治時代に入り、神仏分離が行なわれ神社と寺院は今日の私たちが知るような関係になったが、ところどころに神宮寺の名前を残し、神社と境内を接する寺院がいまでも残っている。
ここはそのひとつ。個人的な感覚だが、八幡神社に神宮寺が残っているというパターンが多いような気がする。(単に八幡神社の絶対数が多いからかもしれないが。)
境内にあった大師堂。
子守大師という扁額があった。
なにか弘法大師に関係する伝説がありそうだが、案内板などはなかった。
本堂はRC造で、その右側には木造の庫裏と湯屋。
八幡神社は神宮寺の左奥にある。
やはり拝殿はRC造、本殿は流造だったが写真を撮り忘れた。雨のため普段よりもやる気がパワーダウンしてるな。
神輿庫と社務所。
他にもなにか車両的なものを収納していると思われる納屋があった。
神社の参道は常緑樹の森で、児童公園になっている。
この森は小松島市の潜在植生をよく表わしているとのことで、市指定の天然記念物に指定されている。
遊具は滑り台、ブランコ、カモメ型雲梯。
滑り台はこれまで見たことがないような独特のデザイン。
タラップの手すりがそのままデッキの手すりになっていて、しかも最初から最後まで束柱がないのだ。
デッキの手すりは3方にあり、滑り出しは横木をくぐらなければならない。このようなデッキのタイプを当サイトでは「横木デッキ」型と呼んでいる。
ディテールを見ると、かなり一点モノっぽい。
滑降面の裏側を見ると、塩ビパイプが並んでいた。
滑降部の壁面が柵になっているタイプは、総じて古い滑り台と判断できる。
もともと塩ビパイプ製だったのを、途中で鉄板で改修したのではないかと思われる。
2018年5月現在、この神社の遊具はすべて撤去されてしまっているようだ。
(2004年05月09日訪問)