快友寺。輪蔵があるというので立寄った。法輪寺からは車で5分ほどのすぐ近くだ。
山門は袖塀つきの1間1戸楼門。1階の部分に柱がないが、実質的には3間の楼門だ。1階と2階の間は斗栱で浮かせてあるタイプ。広島の御調八幡宮ほか、何ヶ所かで見ている。こういう楼門にも何か名前を付けたいところだ。
山門を入ると正面には本堂。
本堂の前には猫足の長い石灯籠がある。山陽地方、山口県に多い形式かもしれない。
本堂の左側には袴腰鐘楼。
袴腰部分の逓減が大きく、軒も深い優美な袴腰両楼だ。
鐘楼のさらに左側には観音堂。
仏堂なのに三間社流れ造りという、神社の型式だ。以前は鎮守社だった可能性もある。
中を覗いてみたら、三十三観音が祀られていた。
本堂の右側には玄関、庫裏。
そのさらに右側には土蔵がある。
その土蔵のさらに右側に、お目当ての輪蔵があった。輪蔵ってどうしてこんなに怪しいオーラを放つのだろう。
何か仕掛けがありそう、としか言えない外観である。
鏡像は建物の中に目一杯に詰まっている感じで、ちょっと写真は撮りにくかった。庫裏に申し込めば中を見せてもらえるようなことも書いてあったが、雨もふっているので止めておいた。
経巻は報恩寺一切経という版のもので、大内時代に渡来し、同版の経典としては国内に残る最大の巻数だという。
小さい境内に堂塔が整然とならんで気持ちのよい寺だった。
(2004年05月03日訪問)