宇部市の丘陵地帯にある寺、瑞松庵。すぐ前を山陽新幹線が通っているので、下り線の左側の窓から寺が見えるだろうと思う。
庭木が丁寧に整えられ、茅葺きの楼門があるので新幹線の車窓からもかなり目を引くだろうと思う。
入口には小さな大師堂がある。
参道を進むと短い石段があり一間一戸楼門がある。狙って民芸風にしているというのでもないと思うので、ピュアな茅葺き建築ではないかと思う。最近では珍しい。
楼門を裏側から見たところ。鐘はないが、吹き放ちになっているので、鐘楼門として建てられたものかもしれない。
楼門の左側に小さな棟門が見える。
「船木勘場の門。明治治十五年四月、厚狭郡役所(旧勘場建物)が焼けた時残存していたものを昭和十年に現在地に移築」とある。
門の向きが参道に対して直角なので、通用門というわけでもなく、移築したもののあまり用途もなく、ただ置いてあるだけという感じだ。
本堂。建物全体がオレンジ色の石州瓦で葺かれている。
参道は北面していて、寺の境内は北向きの谷のような地形にある。谷地なので本堂の前も後ろも斜面なのだ。
その本堂の前の斜面は手入れされていて庭になっている。
本堂の右側には玄関と方丈(?)。後ろに見える二階屋は庫裏だろう。
本堂の左側にはなにやら別の仏堂がある。
賓頭盧尊者が見えたが、開山堂であろうか。
本堂の裏側にもなにか堂がある。位牌堂だろうか。
谷地という関係からか、境内は水が豊かだ。
その水を利用した池もある。庭全体が一枚岩を削ってできており、有名な庭師の手がけた名園というわけではないが、気持ちのよい庭だ。
季節も一番いいときだったのかもしれない。
(2004年05月04日訪問)