続いて、小豆島八十八ヶ所霊場60番札所、
場所は土庄から南へ4kmほどいった小さな漁村「柳」の入り江の奥になる。
明確な駐車場は見当たらなかったので、漁港の駐車場の隅の少しでも邪魔にならないと思われる場所に車を止めて歩く。
道標の横に積み上げてある丸いものは石臼だ。おそらく小豆島の産業のひとつである、醤油やそうめんの原料を挽くために使われたものではないかと思う。小豆島ではこうした使わなくなった石臼が庭石などに使われているのをときどき見かけた。
堤防のある入り江は穏やかで、漁船がたくさん停泊していた。その入り江の波止場の上を歩いて寺へと向かう。
途中にあった鎮守社。
寺には赤い鳥居が目立つ。弁財天を祀っているそうなので鳥居があるのだろう。
うわ~~、すっごいアジアンテイストなお寺だ。「江洞窟」っていう名前も中国語めいている。
一瞬、自分はいま台湾の田舎の漁村で寺巡りしているのかと錯覚してしまう。
この白塗りのそっけない庫裏の建物がとっても台湾チック。この感覚わかってもらえるだろうか・・・。
洞口がある!
名前が「江洞窟」なのだから洞窟があるのは予想してきた。さっそく洞窟へ入ってみよう。
短い石段を降りるとそこは奥に向かってせばまった海食洞だった。
中には弁財天が祀られていて、首から上の病気にご利益があるという。
内部の全景。
奥行きは15mくらいか。
ローソクやひしゃくが奉納できるようになっていた。
続いて、左の石段へ。
扁額に「大師堂」とある。
大師堂の内部。
実はあとになって知ったのだが、この場所で見るべきは中央の仏壇ではなく、右上にある丸い石なのだった。
石の中から丸石が生まれようとしているところなのだという。
お寺の前はすぐ海になっている。
小豆島八十八ヶ所の中で一番海に近い札所だそうだ。
よく見ると、修行大師像の後ろも丸石。
お寺の裏手の海食崖にも、所々に丸い石がはみ出している。
球状花崗岩という球状岩の一種ではないだろうか。
露頭の近影。
港の漁具倉庫か。
漁村でよく見かけるけれど、漁業のことはよくわからない。
柳集落の火の見櫓が遠くに見えていた。
(2006年10月08日訪問)