川島城の駐車場に車を置いたまま城山を下りて、祭りが見えた旧街道の町並みへ向かう。
川島神社への登り口には鳥居があり、参道には火の見櫓があった。逓減の大きな優美な火の見櫓だ。
祭りをやっている町への入口は車両通行止めになっていた。
ここは善入寺島へ通じる旧街道にして遍路道。
その道で阿波踊りを踊る一団がいた。
阿波踊りというと、徳島市で開催されるものだけが有名だが、実際には徳島市以外の市町村でも日をずらして開催されていて、地方の阿波踊りのほうが落ち着いて観られる。
ひとつ気になったのは、踊り手たちが家に向かって踊りを披露していることだ。
チームのメンバーの家の前で披露していくのか、あるいは何か特定の決まりがあって家を回るのか。徳島市内ではあまり聞かない風習だ。
ご存知かとは思うが、阿波踊りには女踊りと男踊りの形がある。
これは女踊り。
これが男踊り。
男踊りは中腰の激しい踊りで、ものすごく体力を消耗しそう。現代では男踊りは女性が踊ることもある。
逆の女踊りを男性が踊るということはあまり聞かないが、これからの時代にはシス男性の女踊りも登場するかもしれない。
ところで、この旧道沿いの古民家の屋根に不思議なものを見つけた。
屋根の上に小さなお城みたいなものが載っている。
しかも屋根の下り棟の先に蕨手みたいな意匠がある。
これは釜屋(台所)の上にある煙出し櫓なのだ。
その後、私はこうした煙出し櫓を「うだつ櫓」と呼んで収集していくことになる。
うだつ櫓は「阿波國すきま漫遊記 第10話」で特集することになるが、この物件は初めて気付いたうだつ櫓でもあり、特に印象深いものだ。
だいぶ日が傾いた。川島神社参道の火の見櫓が夕日に染まってしまった。
さすがにもう高松港へ向かわねば。
(2002年08月25日訪問)