穴吹水車の里

宝くじの助成事業で作られた保養施設。

(徳島県美馬市穴吹町口山渕名)

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穴吹町に「水車の里」という宿泊施設があるので行ってみた。

案内図によると水輪水車と箱水車の2棟があるようだ。

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どうもこの施設全体は自治宝くじの助成金で作られたもののようで、いわゆる合理性のない観光水車といえるだろう。

・・・まあ、有り体にいって私があまり興味を持てない水車物件。

とはいえ、いつかそうした観光水車も「昔は日本も余裕があって過疎地で水車造るって言ったら、採算性も集客性もない事業にも簡単に補助金でたよね」といって懐かしむ時代が来るかもしれないから一応見ておこうか。

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施設は穴吹川の支流、渕名谷川の上流部にあって、宿泊棟、食事棟、休憩所、水車小屋からなる保養施設。道路の反対側には穴吹温泉という日帰り温泉もあるが、そこはたぶん水車の里とは別の民間施設。

渓流には小さな滝が連続していて、中々に風光明媚。

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まず水輪水車のほうを見ていこう。

木製水輪、パイプによる上掛けという、補助金水車にありがちな構成。なんかね、もう「木製水輪+上掛け」というだけで胡散臭く感じてしまう自分がいる。

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窓があるので、内部が見えた。

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軸も羽根木も木製。

付近には棚田もないし、そもそも人家がないから日常的に利用している人はいないだろう。

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少し下流に箱水車がある。

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箱水車とは、180度に水受け付けた軸を回転させて精米をする水車小屋だ。

水受けに水が溜まると、半回転して1回杵を上下するというもの。鹿威(ししおど)しを連続して回転させるようなものだ。

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八多町で聞いた話では、水輪水車が7時間で精米できるのに対して、箱水車は2日間かかった(たぶん、30時間以上)というので効率の悪い水車である。

ただ、唐臼を人が踏むのからすれば楽であり、個人が設置することが多かったのではないかと思う。個人が専有しているのであれば、精米に何日かかっても問題ないからだ。

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この箱水車は窓が磨りガラスだったので内部は確認できない。

たぶんほとんどの箱水車がそうであるように搗き臼╳1構成だと思う。

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施設内にはほかに無能水輪もあった。

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水車の里の案内図には水車小屋の裏山に大峰山の行場があるというようなことが記されていたが、もう暗いので明日出直して確認しよう。

穴吹温泉で入浴していくことにした。

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ここ渕名谷にきょう初めて分け入ったが、このあと葉タバコ農家を訪ねるために何度も通うことになる。

(2006年12月16日訪問)

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里深 文彦 (著), 瀧本 裕士 (著)

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