私は
でも意外に川遊びに行ったのはわずかしかない。鮎喰川の川遊びというと、大駐車場が整備されている高瀬河原と梁瀬橋北詰めが定番だけど、なんというか空気が合わんのよね。ミニバンでバーベキューにくる家族のためのフィールドってイメージで・・・。
私が行ったのは中流域の出尻堰(流木捕捉工)の下流部分。
県道20号の出尻堰付近に駐車。神川橋付近まで県道を歩いて歩いて川に入り、川の流れを下って、工事車輌置場付近で上陸して駐車した場所まで戻るというパターンである。
鮎喰川では堰の上流50mと下流150mが禁漁区となっている。堰という人工的な構造によって魚の行動が制限され、密集しがちになるからなのだろう。
この場所にはファミリーはいないし、禁漁区なので釣り人に迷惑をかけることもなく、好きなだけ魚を観察できる。
鮎喰川の水面はこんな感じ。
この区間には狭い瀬とか滝のような場所はないから、沢足袋、ウエットスーツ、沢登り用のヘルメットでも装備していれば特段危険な場所はないと思うが、さすがに水浴場ではないので自己責任で。
水量はそれなりにあり流れも強いので、上流に向かって進むのは大変だ。基本的に流れ下りながら魚を見ていく。
スリリングなのは出尻堰(流木捕捉工)だ。川の全水量が中央の水門から排出されているので、流れに乗って水門を通過すればよい。
川底は砂利。
水あかまみれの岩だけというわけではないから、踏ん張りの利く場所が多い。
釣り師たちの主な対象魚は、アユ、アメゴ、ウナギなど。川底の石にはいたるところ食み跡がある。
石に食み跡を付けているのはアユ。
「鮎喰川」の名前の由来は、アユが多いからだという。
水中では胴体の側面にある白い斑点が目立つので、見分けやすい。
流れが穏やかな場所にはカワムツも多い。
オイカワ♀かな。
みな、流されないように必死に泳いでいる。
大きなオイカワの♂。
このエリアでたくさん見られるのがウグイ。
徳島では「イダ」という。
特に出尻堰水門の落ち込みには群れて泳いでいる。こうした流れの強い場所は餌を捕りやすいのだろう。
スマートできれいな魚だ。
四国にはウグイ狙いの釣り人っていないと思うが、長野県の千曲川では食用になっている。アユやアマゴほとではないけれど、食べたら普通に美味しい魚だ。
これはニゴイからな。
この場所ではアメゴは一度も見たことがない。
途中、左岸の岩の下に水中のトンネルがあって、その中にはギギが群れている。
トンネルの中が真っ暗だし、息を止めての撮影だから難しいのだけど、動画から切り出した画像がこんな感じ。
ギギの動画。
釣りの対象魚ではないが、食べたらかなり美味いらしい。
暗いからとストロボライトを使うと、水中の埃に反射してしまう。
でも肉眼だとギギはこんな感じに見える。
胸びれと背びれに毒があり、うかつに触ると刺される。海に比べると淡水域では毒のある生きものはかなり限られる。このギギとかアカザといった魚と、カメムシ系の水生昆虫くらいか。
もちろん、川底ではヨシノボリの仲間も多く見られる。
オオヨシノボリかな?
種類の同定はむずかしい。
これはたぶんカワヨシノボリ。
じっとしていることが多く、色鮮やかで愛嬌があるので、実は水中で見て一番楽しいのはこのヨシノボリ類なのだ。
砂利の中にシマドジョウが潜んでるね。
シマドジョウも種類が多いが、これは普通のシマドジョウだと思う。
神川橋付近にはカニモジが仕掛けられていた。
川を下るモクズガニを捕る、カニ用の
そのほか、淵には餌を入れて捕るカニカゴも仕掛けられていた。
けっこう入っている!
モクズガニは主に夜活動するので、昼間はこんな岩の割れ目などに潜んでいる。
すぐに見つかるほどいるので、かなりの数のモクズガニが生息していると思われる。
モクズガニを探して岩の下を覗いていたときに見つけたテナガエビ。
覗いたら逃げるのではなく、威嚇してきた。
食用になるエビで、川のご馳走だ。
(2008年08月14日訪問)