
往路は登山リフトで途中まで登り、復路は徒歩で下山する。
無料駐車場から山頂までは標高差で550mほどだから徒歩で登ってもそれほど難しくない。リフトを使った場合は下車駅から山頂までの標高差は250mほど。これなら登山というより小学生の遠足レベルだ。
今回は登山が目的ではなく剣山本宮の社殿のチェックが目的なので、リフトを使って建物がありそうな場所を巡るようにした。

登山リフトの山頂側の駅「西島駅」を降り、尾根を登る。ほどなく森林限界を超えて明るいササ原の道になる。
本章の主旨からすればこの登山リフトこそ細かく紹介すべきなのだが、飲み水や雨具などを入れたリュックサックの中に一眼デジカメを入れ、両手にストックも持って歩いているからカメラを出すタイミングが遅れた。

山頂までの半分くらい登ったところで左側の分岐へ。

少し山を巻くように進むと、最初のチェックポイント岩室神社不動の岩屋がある。

不動の岩屋は自然洞窟で、入口からハシゴで垂直降下、その先は縞板の階段になっている。
垂直部分は3mほどで怖い感じではないが、狭い。

降りてみたが奥は背が立つくらいの高さがあった。
ライトがなかったので奥には入れず。ただ、あまり奥行きはなさそう。

この場所からはくさり場の登りになる。
岩の割れ目に鎖が垂れているので登りにくいのだが、鎖の輪っかが大きいので登山靴のつま先を掛けて登ることができる。

途中からは普通の岩場になるので岩に足を掛けて登る。

鎖の起点には寄進者の名前を書いたプレートがあった。

その先にはハシゴもある。
怖いような斜面ではなく、ハシゴのおかげで登りやすい。

岩場を抜けて森の中へ入る。

鹿の皮剥ぎ? なんか下の方にやけに細かい傷が付いているけどもしかしてクマ?
四国のツキノワグマは絶滅寸前と言われていて、こんな人が歩くような場所にいるとも思えないが。
それでも山に入るときは一応クマ除けスプレーは持ってきている。四国には野犬がいるからね。1匹ならまだしも群れに出くわすとけっこうびびる。いざというときに持っていると安心だ。

高度が上がると、東側の穴吹川上流方向が見渡せる。

山頂の宝蔵石神社に到着。

引きが足らなかったが、本殿のみの流造りの社殿だった。
すぐ隣りは山小屋の頂上ヒュッテ。

中ではお土産物を売っていた。
宿泊もできるようだ。

宝蔵石神社の裏には巨岩がある。
檀ノ浦の戦いに敗れた平家一門が落ち延びて

山小屋から山頂へ。

山頂部分には現在は使われていない測候所がある。
平坦な山頂は平家の馬場と呼ばれ、平家の落人が再興を夢見て馬を鍛練したという伝説がある。

平家の馬場からの眺望はすばらしい。
一ノ森ヒュッテ方面の尾根道。
リフトを使えば大して難しい登りもなくこんな雄大な風景の場所に立てるのだ。

剣山の風景は石鎚山に比べるとおだやかで女性的な感じだ。

さて、ここからは下山。
西斜面にある大劔神社を目指す。

登山道の脇が激しく掘り返されている。
イノシシの仕業か?
こんな森林限界に近いような場所にもイノシシがいるのか・・・。

冠岩と大劔神社が見えてきた。


冠岩の下に水場がある。

御神水という湧き水。小さな泉だが名水百選に選ばれている。
安徳天皇がここに逃げ延びてこの水で髪をすすいだという。

水場から少し登ったところにある大劔神社の社殿。
山の神社らしく、風雨対策でしっかり戸締まりされている。

そこから更に下山。
石灰岩の岩肌で、少しカルスト地形っぽい風景もある。

リフトの西島駅まで降りてきた。

下山はリフトを使わず、気持ちの良いブナ林の登山道を歩いて下りる。


登山路は劔神社の境内に繋がっていた。
つまり徒歩で登山する場合は、リフトのほうへ行かず、劔神社を目指せばいいわけだ。

きょうは昼からの登山だったので、もう日がかげる時間となっていた。
帰路で大桜温泉でも入って行こうかな。
(2007年06月16日訪問)