円鏡寺

浄土庭園風の境内で極楽浄土な雰囲気を満喫。

(岐阜県北方町北方)

旅は3日目。宿泊地である岐阜市を出発し西へと向かう。最初の目的地は岐阜市の西隣、北方(きたがた)町の円鏡寺だ。寺を探して町内を走っていると、円鏡寺参詣用駐車場という看板があった。町役場の駐車場が円鏡寺の駐車場になっているのだ。駐車場に車を停めたが寺は見えない。朝っぱらからあまり歩かされるのはやだな~、などと軟弱なことを思いつつ順路にしたがって進むと、寺は実はすぐ近くだった。住宅街の中にあるので見えなかったのである。

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山門のあるあたりは公園の広場になっていて、フリーマーケットが行われていた。どこまでが公園で、どこからが寺域なのかはっきりしないが、こういう開放的な寺は好きだ。

山門は鎌倉時代の作で国重文。意匠は純和様。和様の三間一戸楼門としては、全体の形がやや横長でやぼったい感じだ。などと言ったらバチが当たるか‥‥。

仁王像も国重文である。

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山門を入ってさらに進むと池の中島にかけられた朱塗りの橋に至る。

円鏡寺の敷地のかなりの割合が池で占められている。大げさな言い方をすれば、水上寺院のようでもある。

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その池の作庭は浄土庭園風にしつらえてある。

すばらしい浄土っぷりである。

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橋を渡ると観音堂、三重塔が見えてくる。まさに極楽を形にしたような寺である。

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池の南側には黄金の鯉をだっこした観音像がある。

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橋を渡り切った正面は本堂。

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三重塔近影。

柵のせいで何となくよそよそしい雰囲気だ。塔の周りには柵が巡っていることが多い。何故だろう。他の堂だったら絶対そういうことはしないと思うのだが。

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他に境内には、弁天堂、鐘楼(写真)、茶室。

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公園を挟んで反対側には本坊がある。

山門は薬医門。両側に築地塀を巡らす。

通常ならこちらだけでも立派な寺といえる。

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本坊の本堂。

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本坊の庫裏。切妻の本格的な庫裏建築だ。

(2000年03月20日訪問)