白鳥神社(しらとりじんじゃ)。前回の旅でも村田町の白鳥神社を紹介したが、この蔵王地方には白鳥に対する信仰がある。「白鳥」とはどうやらハクチョウのことのようだ。
伝説によればヤマトタケルが東征の折り、この地で妻子をもうける。後に単身帰還したヤマトタケルを追った妻子は途中で力尽きハクチョウと化したというような話が伝わっている。ヤマトタケル自身、死して魂が白鳥と化したとされるので、白鳥とはかかわりが深い人物なのである。
実際、この地方では白鳥は神の使いとしてとても大切にされていたそうだ。明治維新の際には東北に入った官軍が白鳥を捕らえたことから柴田藩士と騒動になり、結果として藩主が切腹、船岡柴田藩は滅亡する原因ともなった。
白鳥伝説を大和朝廷の威光と結びつけて考えるのはわかりやすいのだが、この地の白鳥神社と白鳥信仰はそれだけではないようなロマンも感じさせる。
この神社は元禄時代に柴田氏が大河原町の大高山神社を勧請したのが始まりなのだという。
境内は拝殿、本殿、社務所、末社×2、自動車祈祷所、神楽殿などがある。
中央が拝殿、左側の末社は稲荷社。
境内はだだっ広い。年中行事にはどんど焼きなどが書かれていたが、そのほかにも町内のいろいろな行事に使われるのかもしれない。
写真左から、神楽殿、自動車祈祷所。中央奥に見える黒っぽい壁の建物は愛宕社か。
愛宕社(?)の前に鎮座していた狛犬らしからぬ狛犬だがユーモラスで造形的におもしろい。
(2001年09月22日訪問)