安中市内には中山道にそっていくつかの寺社や旧跡がある。そのひとつ、妖怪「チャンコロリン石」を紹介しよう。
石は大泉寺の境内にある。
寺は街道から少し引っ込んだところにあり、山門は袖塀付きの黒塗りの薬医門である。
境内に入って右側には鐘堂。
左側には六地蔵。
その奥にチャンコロリン石が鎮座している。
むかし、夜の街道を「チャンコロリン、チャンコロリン」と音を立てて動き回るものがあった。恐る恐る戸の隙間から見るとそれは車輪のような大きな石だった。安中宿の人々は気味悪がって夜は出歩くこともできず、そのせいで宿場が寂れてしまうほどだった。なんとかしようと、血気盛んな武者が刀で切りつけたり鉄砲で撃ったりしたが効き目がない。困った村人は偉いお坊さんを頼んで石をこの場所に封じたのだという。
この祠の中央の石臼みたいな形の石が「チャンコロリン石」である。よく見ると刀傷や鉄砲傷があるという。
この石の話は、高校時代に安中在住の同級生から聞いたのだが、「チャンコロリン」という名前がなんだかふざけているようで、実在する伝説とはにわかには信じられなかった。
チャンコロリン石の隣には延命地蔵尊。
ここにも見たことのある水盤が。
石灯籠もちょっと妖怪じみている。
薬医門の正面に本堂。
本堂の右には玄関。その奥が庫裡になってた。
(2012年06月15日訪問)