先に紹介した水車小屋跡は旧前代田町としては飛び地のような地割りの場所で、前代田町の中心は、現在の市民文化会館からJR両毛線にかけての地域である。
その中心にある氏神が代田神社である。この地域は区画整理が進んだため、いまは引っ込んだような場所に境内があるが、以前は南側に参道があり広い車道に面していた。また、神社の北側には有水式ガスホルダーがあって町のシンボルとなっていた。
鳥居は両部鳥居。
拝殿は凸型の入母屋造り。
本殿も入母屋造。
拝殿、兼、本殿で入母屋造りという神社はありふれているが、このように拝殿から独立した本殿が入母屋平入りという物件は本サイトでは初出ではないかという気がする。
拝殿の木鼻には極彩色が施されている。
本殿の裏手にあった宝庫。
この神社には東向きにも参道がある。
その東参道の付近に、淡島神社がある。この神社にはむかし製糸工場の講があり、多くの工女たちが参詣して賑わったという。
淡島神社の前には、蚕影神社の碑がある。
これも養蚕の神様なので、製糸だけでなく養蚕農家の信仰もあったのだろう。
3のつく日がこの淡島さまの縁日で、私が子供のころはお宮の中におばあちゃんたちがお篭りしていて、参詣するとお菓子をもらえた。ときおり3のつく日に思い出してはお菓子をもらいに行くのが楽しみだった。配られるお菓子は「おみごく」と呼ばれていた。「おみごく」の漢字はおそらく「御御御供」であろう。丁寧な接頭語「御」が3つ重なる不思議な言葉だ。
おばあちゃんたちのお篭りはいまでもあるのだろうか。
(2005年02月13日訪問)