両山寺へと向かう。以前の旅で立ち寄るつもりだったのがルート取りを誤って、訪れることができなかった因縁の寺だ。
この両山寺という寺には護法祭という特異な祭りが伝わっている。その祭りでは村人から選ばれた男が
他の村人は太鼓やほら貝などを鳴らし、呪文を唱えながら護法実の周りを廻る。そのうちに男が手に持った笹が震え出す。いわゆる神が降りた状態だ。すると護法実は突然本堂から飛び出して境内を走り回る。
このとき護法実につかまると1年以内に死ぬとされて、参詣者たちは恐れて逃げ回るという奇祭なのである。
トランス状態となった護法実は超人的な体力で飛び跳ねて、高いところに逃げてもつかまってしまうので鳥護法といわれる。近隣の清水寺の護法実は床下まで追いかけてくるので犬護法といわれている。
両山寺の護法祭は8月14日、清水寺の護法祭は8月15日に執り行われる。本来であれば、この日に訪れるのがいいのだろう。いずれは祭礼の日に訪れたいものだが、まずは一度、普段の昼間に訪れておくべきであろう。
寺の山門は、一間一戸の鐘楼門。
通常一間一戸の楼門には祭神は置かれないのだが、この山門では門の左右に山廊のような小屋がありその中に仁王が祀られている。
仁王は山門の通路に対して、内向きに相向かいに建てられているというめずらしい配置。
山門の先は旧参道になっているが、現在は車道が別のところを通っているため、寺の駐車場からは門の裏側が見えることになる。
山門の付近には集落改善センターという建物があり、その一角は十王堂になっている。
十王堂の内部。
浄玻璃鏡などの判定装置はなかった。
続いて本堂のほうへ行ってみる。
本堂前には、二上杉という名前の巨樹がある。
樹齢1,000年という。
本堂は銅盤葺きで大きな唐破風が特徴的。基礎はとてもきれいにできていて最近の施工と思われる。一度解体修理したのだろうか。上屋もよく補修されているが、骨格部分は江戸中期くらいまで行くかもしれない。
本堂の左右に宝形の堂がある。
本堂の右側にあったのは写真の薬師堂。
左側は大師堂だった。(写真撮り忘れ)
庫裏。
境内は石垣で囲まれている。
本堂の裏手には鎮守社の二上神社があるが、距離がありそうなので参詣はしなかった。
(2003年04月30日訪問)