防府天満宮からほど近い場所に国分寺がある。
寺の前は旧山陽道の街道で、しっくいの剥がれた築地塀が風情を添えている。
山門は山陽道から少し引っ込んだところにある。門前には2本の巨大なクスノキ。
山門の前の空き地の道に近い位置に、創建時の国分寺南門(総門)があったと推定されている。
現在の山門は本来の山門よりも少し後退した場所に建てられている。
横幅が広くちょっと鈍重に感じる建築だ。
現在の伽藍配置図があった。
もちろん創建当時の建物はすべて失われ、埋蔵文化財となっているものの、旧国分寺の跡地に現在の国分寺の伽藍が建っているのだ。金堂に至っては、当時の基壇の位置にそのまま再建されている。
山門、金堂、庫裏と直線的に堂宇が並ぶさまは、古代寺院をイメージさせる。
③ 南門跡、⑦ 中門跡、⑫ 金堂、⑥ 塔跡となっている。中門と塔の関係を見ると、塔は回廊の外側にあったのではないかと推定される。
境内に入ってみると、なんと工事中。
旧中門があったとされるあたりも柵で区切られ、自由に移動できなくなっていた。
金堂にも覆屋がかかっていて、その形はハッキリとは見えないし、近づくこともできなかった。
金堂は薬師如来、脇侍の日光月光菩薩や四天王など、国重文の仏像が並ぶというが、残念ながら見学できない。看板によれば拝観料は500円だった。
ただ、遠巻きに見るかぎり修理はほぼ終わりに近づいているようで、覆屋も遠からず撤去されそうな状況だった。
本堂の裏側には現在の庫裏(写真入母屋妻入りの建築)がある。
庫裏の右側には客殿。案内には「持仏堂」とある。持仏堂とは、一般的には在家貴族が建てた自分用の仏堂である。この寺は長く毛利家の庇護を受けてきたというので毛利家の持仏堂を移築したものかも知れない。
庫裏の左側には寺務所、兼、護符売り場。
寺務所の前には聖天堂がある。
聖天堂にはおみくじの自販機。
山口ではおみくじ自販機をよく見かけるなあ。
庫裏側から金堂を見たところ。
金堂の裏側には棟門の中門がある。
中門の左には別に四脚門もあった。
工事をしているせいなのか、境内の所々に布目瓦の破片みたいなものが落ちているのが気になる。
たぶん奈良時代の瓦だよね・・・もちろん、拾ったりしなかったけど!
(2003年09月06日訪問)