薬師庵

札所79番。割拝殿と一体化した通夜堂がある。

(香川県土庄町大部)

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鳴滝不動にはなんだかんだで結局、1時間くらいは滞在し、次の寺へ着いたときには16時半になっていた。きょうは夜になる前に高松行きフェリーに乗るつもりだから、そろそろ撤収を考えなければならない時刻だ。

ここは小豆島八十八ヶ所霊場の第79番札所、薬師庵。

ほぼ県道に面しているから、前回の訪島で島の外周をひと回りしたときにも前を通っている。前回素通りした場所で、小庵に立ち寄っているのが今回の訪島の特徴といえるだろう。

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ここは寺というよりどこか神社っぽいたたずまい。

山門は八脚門だが、どちらかといえば割拝殿的ともいえる。しかも鐘堂を兼ねている。小豆島には平屋の門が鐘堂を兼ねているところが多いな。→

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この建物は変わっていて、正面は3間のうち鐘が付いている部分は奥行きが1間なのに、右2間は奥行きが2件になっている。奥行きが2間ある部分は床が張られているところが、割拝殿的にも見えるのだが、ここはあえてこの建物を通夜堂と見てみたい。

当サイトのいうところの「通夜堂」とは、歩き遍路を宿泊させるためにお寺が用意した堂である。いまでは簡易宿泊所の様相のものがほとんどだが、もともと遍路はこんな堂で野宿したのではないかと思うのである。

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鐘堂と由緒書き。

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境内は方3間宝形の本堂、その右側に大師堂、左側に地域の集会所がある。

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大師堂の中。

畳敷きになっていた。

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本堂の前には15基の軍人の墓が並んでいた。

このように四角柱の上部が尖っているのが軍人墓の特徴である。明治以後のもので、砲弾の形を模しているといわれる。

(2007年10月08日訪問)