白髭神社・富士塚

境内に富士塚がある。

(埼玉県川越市豊田本)

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尚美学園大学の西側の集落、豊田本(とよだほん)

その氏神様ともいえる白髭神社の境内に立派な富士塚がある。

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自然の丘陵や崖などをこじつけて塚だと呼んでいるのではなく、平地から盛り上がった明確な塚だ。

古墳転用かもしれないが、形状がとても富士山っぽいし溶岩も配されていて富士塚純度が高い。非常に満足度の高い富士塚だ。

惜しむらくは、登山道が直線の石段であること。

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この石段、異様に杯状穴が開けられている。

しかもひとつの穴がでかい。これじゃ杯状穴じゃなくて碗状穴だよ。

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杯状穴の不思議なところは、部材の縁近くに掘ったことが原因で穴のフチが欠けているのが結構あること。

この石段など火成岩で硬そうなので、もう少し考えてから掘り始めればいいと思うのだが・・・。

それとも縁に掘るのが粋!、みたいなルールでもあるのか。

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山頂の祠は屋根が風化で崩れている。

基壇には「(むら)内安全」の文字。

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さらに奥に溶岩を積み上げた洞窟がありそこにも石祠が収められている。

その前には冨士浅間神社の神使の猿像。

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山頂には他にいくつか石祠が並んでいる。

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裏側に下山路らしきものがあるから、こちらから下山しよう。

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あれれ、裏側は立入禁止だった。

山頂からはわからなかったのでしかたがない・・・。

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横が公園になっているので、子どもが富士塚を遊具だと思って登って石碑を倒したりしないように立入禁止にしたのだろう。

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公園側のイトヒバ(?)の幹がものすごく曲がってる。

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富士塚の背面の全景。

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神社についても見ていこう。

富士塚の北側には社務所、軒、豊田本公民館。

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神社の社殿全景。

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拝殿は切妻平入りの建物。

屋根に千木と堅魚木を乗せている。

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本殿も切妻平入りだがたぶんこれは覆屋なのだろうな。横に明かり取りの窓があるし。そもそも拝殿の屋根に千木・堅魚木で装飾しているのに本殿側に装飾がないのは不自然だ。

でも内部に本殿が収納されているのか、あるいは、祭壇が置かれているのかは確認できなかったので、この切妻の建物を本殿としておこう。

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本殿の右側には神庫。

地蔵格子は透けているので中が見えるが、会議机やパイプイスなどが収納されていた。例祭で使う備品倉庫になっているようだ。

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本殿の左側には末社の福壽稲荷神社。

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福壽稲荷神社内部。

(2023年11月05日訪問)