龍瀑院・轟の滝

名瀑、轟の滝を擁する寺院。

(徳島県海陽町平井)

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徳島でも最凶の酷道193号線。美郷村から海部町までの行程は100km以上の山道が続く。私は海部町へ行くとき帰るときによく利用している。

霧越峠を越え海部町へ入り、少し脇道に入ったところに轟の滝という名瀑がある。別名を王余魚(カレイ)滝ともいい、徳島を代表する名瀑で、そのビジュアルは全国的に知られている。

ほたる祭りは暗くなってからでいいと考え、少し時間をつぶすために滝に立ち寄ることにした。

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立ち寄ると言っても、ここまですでにかなりの寄り道をしているので時刻は19時を廻っている。日没が遅い関西地方とはいえ、さすがに深い山の中は暗く、もはや参詣の時間ではなかった。

デジカメもこの暗さではまともに写らないので、かなり増感して載せている。

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滝までは数軒の土産物屋があるが、営業しているのかはっきりしない。この店舗がかろうじて営業しているか。

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やる気のない自動販売機。

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珍しいさくらんぼドリンクがあったので、お金を入れてみたがむなしく戻ってくるだけだった・・・こんな日焼けした商品が販売してるわけないよね。

自販機がこんな状態で放置されているってことは、この店舗ももう閉業しているのかもしれない。

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轟の滝には龍瀑院という寺院と轟神社という神社が付属している。電灯が点いているから歩けるけれど、境内はもう夜だ。

実はこの寺院にはこのときを含め2回立ち寄っているのだけど、2回とも日暮れの時間で、長居していない。海部町への行き帰りの途中に立ち寄っているからだ。いつか轟の滝を目的地としてちゃんとした時間帯に訪れないと・・・。

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龍瀑院の山門。

お寺の山門としてはめずらしい棟門だ。

棟門とは主柱2本で屋根を支えている構造の門。二脚門と言えそうだが、一般的には棟門と呼ばれている。前後への安定性がないので、添え柱を建てたり、この例のように塀に固定したりして倒れにくく造る。

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山門を潜ると右側に轟権現堂。

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正面に本堂。その左側に寺務所。

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本堂の背後には神社の本殿のような建物が付属している。

伽藍としては全体的に仏教らしらよりも、修験道っぽい。

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滝へ向かう途中にある神輿舎。

秋に大祭があり、滝つぼに神輿を投げ込む神事が有名だ。それに使う神輿か。

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滝の前に鳥居があり「轟本瀧神社」という扁額が掛かっていた。滝自体がご神体となっている。

非常に神々しい場所だ。

この滝つぼには竜神が棲むといい、その神ははじめ那智滝に入ろうとしたが滝つぼが浅かったため、轟の滝へ移ってきたという伝説がある。

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滝は岩の割れ目の先にあって、滝つぼなどはよく見えない。

神事の際はこの奥まで神輿をかついで入る。

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滝の落差はWikipediaによれば58mで徳島県では一番高いという。

この上流には大きな滝が9つあり、それ以外の小さな滝もたくさんあるという。すべてを見るとたぶん2時間以上かかる。

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ひとつ上流の二重滝まで歩いてみた。

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途中の登山道はなんだか良くできたアニメの背景かファンタジー映画のセットみたいな鬱蒼とした雰囲気。

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お化けみたいな樹の根。

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ところでこの場所には仏教寺院としての龍瀑院のほかに、神道の轟神社もある。

遅い時間なので上までは登らなかった。

今度行くことがあれば必ず参詣するので許して欲しい。

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伽藍配置図を見ると、それなりにちゃんとした神社のようだ。

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この灯台のようなものが気になる。

いつか行かなければ・・・。

(2004年06月04日訪問)