貞光町で藍を育てている農家があったことについては、葉たばこの章で触れた。
その農家の畑のとなりに宮内神社という神社があった。藍畑を歩いたあと、その神社にもお参りしていくことにした。
目立たない村の鎮守で、ひと気はまったくない。
いま立ち寄らなかったら、立ち寄ることはないだろう。
拝殿は入母屋造りで横に長い。
正面と側面には雨戸がはまっている。
通常、拝殿の開口は地蔵格子や蔀戸だ。もしかするとこの拝殿は、雨戸を取り払うと柱がなく、神楽殿として機能するのではないだろうか。
拝殿の後ろには、ひと回り小さい入母屋造りの幣殿が連続している。写真がわかりにくいが、八幡造りのような感じになっている。
その背後にはかまぼこ屋根の石の間を経て本殿に繋がっている。
本殿は斗栱が細かい、非常に凝った建物。
高欄や軒は三手先の組み物になっている。
面白いのは脇障子が45度の角度で取り付けられていること。
こうした脇障子はまれにあるようだが、どんな意図があるのだろうか。
(2009年07月11日訪問)