中之御前神社

境内に大銀杏がある小さな神社。

(徳島県吉野川市山川町井上)

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高越山登山の人々が通った街道を想像すると、県西の池田町や脇町方面からは川田川左岸の県道249号線であったろう。いっぽう市場町や鴨島町、徳島市方面からは川田川右岸の県道248号線を通り、現在の川田橋を渡ったと思われる。

川田橋の西は現在は静かな住宅地だがかつては「極道の辻」と呼ばれる目抜き通りだった。この通りは西方向に突き当たりになっていてわかりにくいが路地を入ると一の鳥居へ通じている。

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ここにはもうひとつのルートが考えられ、それは川田橋の西詰からY字路を左に入って明王院を目指すルートだ。明王院の境内からも登山道へ入ることができるのだ。

この明王院ルートの入口に小さな神社がある。

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その神社へ行ってみた。

近所の人に聞いたところでは、神社の名前は「中之御前(なかのごぜん)さん」というようだ。

境内には大きな銀杏とクスノキがある。

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神社の前は川田川の支流の堤防になっている。軽度の天井川で堤防道路から境内へは石段で下っている。

強引な言い方をすれば一種の下り宮と言えなくもない。まぁ、言わないけど。

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社殿は小さい。

拝殿はブロック積みといという珍しい構造。

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しかも、本殿よりも拝殿のほうが小さいくらいだ。

本殿より拝殿が小さい神社ってあまり記憶に浮かばない。

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瑞垣もブロック製。

本殿は流造りで、見た感じで年代は明治くらいではないかと思うが、虹梁などはスッとしていて屋根のバランスもよく、中々に美しい流造りだと思う。

軒下の丸桁に電線が取り付けられているのが、何をしたいのかよくわからないが。

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クスノキの下にはブロックを利用した小祠があった。

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ちょうど銀杏の紅葉が輝いて美しい時期だった。

(2002年11月23日訪問)

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