タシマ巡りの続きで上板町へとやってきた。県道24号線沿いのイオンショッピングセンターの周辺は特にタシマの密集している地帯だ。このあたりもかつて藍の産地で、現在でもわずかに藍農家が残っている。
そのタシマ密集地帯の中に神社があったので立寄ることにした。
神社の鳥居は笠木と貫が低く、鈍重な感じの比率になっている。
鳥居の前には地域の集会所。
鳥居を入って左側には用途不明の建物があった。手前の下屋部分は倉庫だが、主屋は座敷になっていると思われる。祭礼時の護符などの販売所か、あるいはお篭りのための堂ではないかと思う。
下屋の扉には穴があいているので、内部になにか面白いものでもあるかと思って覗いたが、掃除用具が入っているだけだった。
拝殿の前には
拝殿の後部は凸型の幣殿があり、その背後に密着して独立した本殿がある。
本殿は拝殿や幣殿にくらべてずいぶんと小さい。
本殿の左側にあった末社。
本殿の右側にあった末社。
拝殿の右前にはブランコと滑り台があった。
滑り台は開放デッキ型のステンレス台。
神社からすこし北にいったところにある野神という字で見かけたタシマ墓。
完全に島になっているわけではないが、なんだか埠頭みたいだ。
そこに並ぶのは僧形や駒型、櫛型の墓石。
江戸時代の中期くらいまでさかのぼるものではないかと思う。そのあいだ、ずっとここから動かず畑の中に並んでいたのだ。
埠頭の墓のすぐ西側にも2つのタシマ墓がある。
上板町は県内では有数の葉タバコの産地なのだ。
葉タバコについては、以前に阿波葉という品種の産地について触れた。上板町の葉タバコはそれとは異なり、黄色種という品種である。ベーハ小屋で乾燥させる「
早い段階で下の葉から黄変してくるので、阿波葉とは区別できる。
厳密には、徳島で生産されている黄色種には香味を付ける働きの「第1黄色種」と、火持ちをよくする働きの「第2黄色種」があり、吉野川流域で生産されているのは「第2黄色種」である。「第1黄色種」は阿南方面で生産されている。
畑のそばに立つと、甘いチョコレートのような香りがただよう。私は喫煙者ではないけれど、これはいい香りだと思う。
1本だけ花がついていた。
花をつけると栄養が花にとられるので、タバコ畑で芯止めして咲かせないのが一般的。花はあまり見かけることはない。
(2007年06月09日訪問)