高負彦根神社・ポンポン山

社殿の裏の斜面を踏むとポンポンという音がする。

(埼玉県吉見町田甲)

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吉見百穴に続いて黒岩横穴へ行こうと思ったのだが、横穴へ行く道が車両通行禁止になっていた。むかしは近くまで行けたと思うのだが。

少し天気が悪くなってきたので黒岩横穴はあきらめて代わりに高負彦根(たかおひこね)神社へ行くことに。写真は日暮れ時のような暗さだけどまだ時間は16時前。

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この神社の裏山には地面を踏むとポンポンという音がする場所があり、ポンポン山と呼ばれている。

このポンポン山、何だかんだでけっこうな回数来ている気がする。そして毎回、過去に来たことを忘れていて、神社を見て思い出すのだ。

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実はこの2016年の訪問時のことも忘れていて、2022年にまた訪れている。

不思議な形の水盤。

2016年には撮影していなかったので2022年の訪問時の写真。

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社務所。

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2022年の訪問時には社務所は建て替えられていた。

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社務所の横にある「獅子封じ塚」。

あるとき村に赤痢が流行し、多数の死者が出て治まるところを知らなかった。これは氏神のたたりではないかということになり、獅子舞の獅子頭をここに埋め、上にヒイラギを植えたところ伝染病が治まったという。

ちょっとよくわからない伝説だ・・・。

旱魃のときに神輿を沼に投げ込むという地域があるが、高価な備品を遺棄することで願いを届けようという信仰ではないかと思う。

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獅子封じ塚の前には力石と思われるものが転がっていた。

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拝殿。

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本殿は覆屋の中にあり見えない。

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拝殿の左側には末社の三峰社。

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ポンポンと鳴る場所は、本殿の右奥にある。

地盤のくぼみに落ち葉などからなる有機物が降り積もったあと、火山灰などで表土が出来て、言ってみれば地下に空洞のような層ができて音が反響するのだろうと思われる。

似たような地質は私が以前に住んだ徳島県にも「太鼓坂」と呼ばれる場所があった。

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この地面が黒光りしているあたりが音が鳴るといわれている場所。

いろいろと踏んでみたが、ほかの場所と多少音が違うという程度で、期待しているような反響音ではなかった。

この拍子抜けの感じが記憶を薄れさせ、しばらくすると「ポンポン山って行ったことがないから行ってみるか」となるのだろう。

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ポンポンが大して面白くなかったのでそのまま山を登る。

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途中には青面金剛と三猿。

宝暦6年とある。江戸中期。

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こちらは三猿だけの庚申。

寛文年間。江戸前期。

やはり江戸前期はまだ庚申と青面金剛が結びついていない時代なのだ。

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山頂からは山ノ下集落が帯状に続いているのが見渡せる。和田吉野川の旧流路の自然堤防だろうと思われる。

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結局、ポンポン山を合計4回訪れたことになると思う。変な夢の中に出てきたのを加えればもっとだ。

そして徳島の太鼓坂だけでなく、ほかにも地面を踏むと音がするという場所を見たような記憶もあり、私の中ではけっこう混乱するスポットとなっている。

(2016年04月23日訪問)