腰越氷川神社

胎内潜りや奥の院がある神秘的な神社。

(埼玉県小川町腰越)

きょうは鶴ヶ島市の雨乞い行事を観るため友人の車で埼玉県に来ている。行事をちゃんと観ようと思ったら、早い時間から場所取りする必要があるのだが、もう日本の夏は人間が朝から午後まで野外でじっっと場所取りできる気候ではない。友人も私もその行事は過去に一度観ているので、ギリギリの時間に現地に着くことにして、途中で寄り道をしていくことになった。

写真

まず訪れたのは小川町の腰越氷川神社。

チョイスは神社好きの友人。私は友人の車に載せられ、着いたら降りるという大名旅行状態だ。

私は近隣の寺社はたまたま気が向いたら参詣するいうスタンスなので、この神社は友人が来ようと言わなければ永遠に来なかったかもしれない。この前の道は笠山神社に行ったり、和紙について調べたりしたときに何度も通っているが、参詣しようと思わなかった神社だからだ。

写真

境内は笠山神社へ向かう車道からかなり引っ込んだ山並みのふもとにある。

写真

鳥居の前には狛犬。

新しいもの。

写真

鳥居をくぐると左側に水盤舎。

写真

その水盤舎の背後に鐘堂。

鐘堂は基本的にお寺の堂宇だが、別当寺があるわけではない。神社に鐘堂があるのだ。

神仏混淆時代の名残なのだろう。

写真

境内にある案内板には鐘堂があることについては触れられておらず、えらくあっさりした内容。

境内に産泰神社があるらしい。

写真

社務所。

写真

社務所の前に石造の基壇のようなものがある。

これはお旅所の神輿台なのだろうか?

常設の神輿台って、これまで四国や淡路島でしか紹介しておらず、関東地方ではこれまでに見つかっていない。違うかもね。

写真

社務所の裏には外便所があるが、あまりきれいではないから女性がハイキングなどで利用するにはお勧めできない。

写真

拝殿と本殿。本殿は覆屋の中に収まっていてまったく見えない。

写真

本殿の背後には垂直の崖がある。

写真

なぜか境内を横切る暗渠。

山から水が流れているのだろうか。

写真

拝殿の右側には末社。これが産泰神社かな?

見えているのは覆屋で、内部には栩葺きの流造りの小祠がキチキチに収められている。

写真

そのさらに右側に末社の団地。

写真

拝殿の左側はすぐ崖になっている。

写真

その崖に胎内潜りがあった。

人造洞窟ではなく、崩落で偶然できた洞窟だ。

写真

子授けや安産祈願というのはこの胎内潜りが関係しているのだろう。落ち葉などが詰まって狭くなっているので潜るのはやめておいた。

そもそもかなり暑い日なのだ。汗と砂でドロドロになりたくない・・・。

写真

境内の左側にしめ縄の張られた道がある。

奥がありそう!

写真

しめ縄を過ぎたところにあった大黒天堂。

写真

内部には石造の大黒さま。

写真

道は石段になり山の上へ続いている。

石段が造られているのでこれはタダの山道ではなく、神社の何かだ。

写真

落ち葉で滑る石段を登っていくと石碑が点々とある。

一心(いっしん)霊神(れいじん)」とは一心行者と呼ばれる御嶽信仰の修験者で北関東で活躍した人物らしい。

写真

急な石段がまだ続いている。

すでに汗だくだけど、登るしかない。

写真

「覚明霊神」は御嶽山の霊場を開いた行者、覚明(かくめい)上人。

どうやらここは氷川神社とは別の、木曽御嶽の霊場のようだ。

写真

一心霊神、御嶽大神、一山霊神の碑。

一山(いっさん)霊神は南関東で活躍した先達。

写真

氷川神社から見えていた崖の上に来ている。

写真

頂上には鳥居と小さな塚があった。御嶽塚ってことでいいかな。

写真

石碑の文字は御嶽山、三笠山、八海山の木曽御嶽3点セット。

写真

けっこう厳かな雰囲気の空間だった。

きょうは鶴ヶ島の雨乞いに向けて体力を温存していきたいところだが、すでにヘロヘロになりつつある。

想定していなかった山登りだった。

写真

この山にはマメヅタが目立った。

(2024年08月04日訪問)