氷川神社

広大な境内と長い参道を持つ、武蔵国一の宮。

(埼玉県さいたま市大宮区高鼻町)

きょうは午前から大盆栽まつりさいたま市立博物館の企画展を観て、ここまででけっこう疲れている。好天に恵まれた休日だったがむしろ暑すぎるくらいで、汗で服はべたつき、コメダでかき氷でも食べないとやってられないくらいの状況だったのだ。でも5月上旬でかき氷などあるわけがない。

とにかくきょうはもうこれ以上何も見ずに、さっさと駐車場に戻り、見沼天然温泉小春日和にでもつかりたい・・・。

でもね、駐車場までのあいだには、武蔵の一の宮といわれる氷川神社がある。さすがにお参りせずに素通りというわけにもいかない・・・。

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わたしは神社にお参りするときは、たとえ裏口から入っても極力正面の一の鳥居まで行くようにしている。ところが、氷川神社の参道は2kmほどあり、いくらなんでもいまから一の鳥居まで歩くのはキツい。その長さは、鎌倉の若宮大路で、鶴ケ岡八幡宮から由比ヶ浜の波打ち際までの距離に相当するのだ。駅でいえば北大宮~埼玉新都心の2駅分ある。

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とりあえず、市立博物館の交差点を起点として、そこから神社方向の参道を紹介しよう。

氷川神社参道の全長の1/3くらいになる。

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市立博物館の西側に二の鳥居がある。

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参道はケヤキを中心として大樹の並木になっているので過ごしやすい。1日、このエリアを楽しむのならJRさいたま新都心駅で下車して参道を歩いてもいいかもしれない。

参道は元は中山道だったといわれ、寛永年間に現在の位置につけ替えられ、街道に面していた商店や宿屋なども移転させられた。そのため現在の2kmある参道は車両が通れない。参道に面した商店もなく住宅地のあいだを抜けていく静かな歩道になっている。

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参道の途中にある社家のような感じの建物は、勅使斎館というもの。

神社には、天皇の名代である勅使が派遣される「勅祭社(ちょくさいしゃ)」という社格がある。現在勅祭社は16 社あり、氷川神社もその中に含まれている。

そのため勅使を受け入れるための施設を持っているのだ。

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三の鳥居。ここからがいわゆる神社の境内になっていく。

境内も鎮守の杜に相当する部分が20ヘクタールくらいはあるので、軽い気持ちでひと回りとかできない。

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ありがたいことに、境内案内図がすごく正確で、社殿がもれなく記載されている。

いちいち確認はしないが、なるべく漏らさずに社殿を見ていくつもりだ。

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案内板にあった年間の祭祀スケジュール。

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三の鳥居を潜ると左側に社務所がある。

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右側には神楽殿と絵馬殿。

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その隣りには、摂社の天津神社、古札納め所、末社アパート。

末社アパートの入居者は、神明神社、住吉神社、雷神社、愛宕神社、石上神社、山祇神社。

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少し進むと西参道への分岐があり、その股のところに末社の松尾神社がある。

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分岐を西に入ると、森の中に末社の稲荷神社がある。

なお稲荷神社は北向き。

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稲荷神社のある場所は少し起伏があり、森の中を参道でひとまわりできるようになっている。

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稲荷神社の北側には池があり、その池の中に摂社の宗像神社。弁天様なので、小島に社殿があり橋で渡るようになっている。

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メインの参道に戻り、本殿のほうへ進むと参道にも橋がある。

下は池で、宗像神社がある池とひとつづきになっている。

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橋を渡ると左側に水盤舎。

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正面には神門の楼門がある。

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楼門の両側は回廊に接続している。

奥に見える建物は祓殿で、結婚式場として使われる。

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楼門を入って正面には舞殿(まいどの)。つまり神楽殿。

三の鳥居のところにも神楽殿があったので、氷川神社には神楽殿が2つあることになる。

国語辞典では「舞殿=神楽殿」と説明されているが、当サイトでは舞殿と神楽殿は区別しおり、舞殿は「南宮型神楽殿」と呼んでいる。

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舞殿の横にはクスノキの巨樹がある。樹齢は百年以上はありそう。

境内になんでこんな大きくなるまで樹を育ててしまったんだろう・・・。

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舞殿の後ろには拝殿。

つまり、神門→舞殿→拝殿は直線的に並んでいる。

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本殿は見えにくいが流造り。

本殿とは石の間で連結していて、一種の権現造りと言っていいかもしれない。

本殿の左側には境内図で名前が書かれていない切妻平入りの建物がある。神饌所ではないかと思うのだが。

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ただ、玉垣の外側にも切妻平入りの社殿があり、案内図のよれば神饌所となっている。

神饌所が2つあるというのも不自然だから、こちらの建物は御供所なのではないか。愛知県の伊賀八幡宮で見た御供所と位置やたたずまいがよく似ている。

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本殿の右側の玉垣の外にも切妻の社殿がある。

これは案内図によれば神輿庫。

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拝殿の右側には護符売場。

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護符売場の横に絵馬かけ所がある。

そのうちひとつは袋絵馬という巾着のようなものが掛かっていた。神社も色々と新しいことを考えている。

普通の絵馬も袋絵馬も大盛況だ。

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東門から外へ。

東門は四脚門だった。

神社の回廊に2つの門があるケースはたまにあるけれど、2つ目の門はだいたい東側にあるような気がする。

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東門を出たところにはおみくじ納め所。

すさまじい数のおみくじがまんべんなく結びつけられている。これ、参拝客がやるのかな。下の方とか結びにくいと思うのだが。

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東門を出たところには末社の御嶽神社(左)と摂社の門客人(もんきゃくじん)神社(右)。

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東門を出たところにはヒョウタン池と白鳥池(写真)という2つの池がある。

白鳥池には中島があり橋懸かりしてあるが、通行止めになっていた。

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なお、氷川神社自体の駐車場は境内西に専用の無料駐車場があるほか、東側にはタイムズがある。タイムズは30分200~300円とそれなりの値段だが、参詣目的の場合は護符売場に申請すると40分までは無料になるようだ。太っ腹。

繁華街の神社って駐車場の問題でどうしても足が向かないけれど、氷川神社は駐車場の心配がないのでありがたい。

(2022年05月05日訪問)

図解建築用語辞典

単行本 – 2013/12/1
建築用語辞典編集委員会 (編集)

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