妙見劇場跡

バス停に名前が残っている。

(徳島県美馬市美馬町)

徳島の古い映画館探しもいよいよ末期だと感じるようになった。

坂野劇場の写真を撮り損なったことから始まった映画館探しだが、ここのところ新たな遺構が見つかっていない。ここから先は映画館の記憶を採話するだけになりそうな予感がする。

当初県内にはかなりの劇場が残っていると期待していたが、想像していたよりもその数は少なそうだ。川北街道沿いに、①喜楽座、②阿波劇場、③加茂座、④脇町劇場、⑤貞光劇場の5ヶ所、あとは⑥小松島市に立江の映画館、⑦神山町の寄居座の2ヶ所。芝居小屋を起源とする古い映画館は県内には7ヶ所ですべてではないか。

あきらめたらゲームオーバーとわかっているが、どんなことにも終わりはある。

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きょうは脇町から西へ川北街道を辿りながら、聞き込みを続けてきた。「この村にはありそうだ」という場所でいくつか当てが外れ、美馬町まで来ていた。

話を聞くなかで唯一手がかりがあったのが美馬町の寺町のはずれにあったという芝居小屋だ。

行ってみると、バス停に「劇場前」という名前が残っていた。

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あいにく人が見つからず、話を聞くことができなかった。暫定的に「妙見劇場跡」と呼ぶことにする。

バス停の場所には公民館のような建物がある。妙見神社の参籠所を兼ねているようだ。

お旅所発見!

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奥側に流造の本殿がある。

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道ばたには石灯籠。

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境内のお旅所。

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高さは低い。

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バス停の位置に気を取られて、公民館側ばかり見ていたが、あとあと衛星写真を見ると、むしろ道の反対側の三角形の敷地のほうがあやしい。

実はこの広場は5年前に遊具を探していたころに立ち寄ったことがあったが、すっかり記憶から抜け落ちていた。

その後、ここは再取材していないので劇場の詳細は不明なままだ。

(2008年04月20日訪問)