牛窓の民宿で目を覚ます。普段は朝食抜きの私だがきのう一日動き回ったせいで旅館の朝食がうまい。到着したときは濃霧が立ちこめていたためわからなかったのだが、民宿は山の中腹にあって朝食をとる食堂から牛窓の町と瀬戸内海の小島を見渡すことができた。リゾートとまでは言えないまでも、牛窓はおだやかで居心地のよさそうな町だった。
その牛窓の町中には本蓮寺という名刹がある。本来なら寺を見てすぐに旅立つつもりだったが、さびれた雰囲気の町並みに魅かれて町を散策することにした。午前中いっぱいは牛窓町の周辺でたっぷりと時間を使ってから、午後からは主として岡山市の外周の寺々を巡る。午後は曇ったり雨がぱらついたりはっきりしない天気だった。またもレンズに雨滴のついた写真が多いがご容赦願いたい。
この旅では初めて本格的にICタイプのボイスコーダーを使ったのだが、午後にメモリーが一杯になってメモリカードを捜すハメに。郊外のショッピングセンターで入手できたが、都合一時間ほどをロスする。準備はちゃんとしておかなければ‥‥。日が暮れて岡山市で投宿する前に市内のパソコン量販店で再度デジカメとボイスコーダーのメモリをまとめ買いする。ついでにカードリーダーも購入。メモリカードがいっぱいになったときに持参したノートパソコンにバックアップできるようにするための保険だ。実際旅の最後ではバックアップをしなければならなかった。
見ず知らずの街でパソコンショップを探した苦労や、大きな出費で旅費が心もとなくなってしまった不安も、今となっては忘れられない旅の思い出でである。